アイ・オー・データ機器は、WinSensorシリーズ第1弾となる、Windows 7の新機能「Sensor API」の人感センサー対応デバイス「SENSOR-HM/ECO」の発表会を開催した。

手が当たっても倒れないように約58×45×61mmのサイズを採用した「SENSOR-HM/ECO」。赤外線センサーを内蔵し、本体前面から1.5度の範囲で1.2mまで認識。同梱のソフトでは0.6mまでに設定されている。赤外線を発信し、反射しないような物体が置かれていても反応しない。センサー部分のみだと、さらなる小型化が可能

「SENSOR-HM/ECO」を紹介するアイ・オー・データ機器 執行役員 第1開発本部 本部長 平野義久氏

発表会では、アイ・オー・データ機器 執行役員 第1開発本部 本部長 平野義久氏がWindows 7への取り組みを紹介。同社は、マルチタッチ対応液晶ディスプレイ「LDC-AD221FB-T」、3波対応デジタルTVキャプチャ「GV-MC7/V7」、リモート再生対応ネットワークメディアプレイヤー「AV-LS700」など、“Windowsタッチ"、“デジタルテレビ"、“ホームネットワーク"のWindows 7の3つのシナリオに対応する製品を投入している。Windows 7を盛り上げることがデバイスメーカーとしての役割とし、今回さらに新しいインタフェース「Sensor API」を生かした第4のシナリオを推し進めるために「SENSOR-HM/ECO」を開発した。Sensor APIを広く認識してもらい、またPCユーザーにどういう役割があるかを体感してもらうと同時に、SENSOR-HM/ECOによって環境問題やECOを身近に感じてもらいたいとした。

アイ・オー・データ機器では、Windows 7の特徴を生かした製品を投入してきた

Windows 7の特徴を生かした4つ目のジャンルとして、Windowsロゴを取得した、世界初のSensor API対応デバイス「SENSOR-HM/ECO」を投入する

Sensor APIとは何か

Sensor APIを説明するマイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長 中川哲氏

続いて壇上に上がったマイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長 中川哲氏が、Sensor APIについて説明した。Windows 7開発初期からSensor APIの構想はあったが、搭載され使えるような状態になったのはかなり遅かった。それは先にコアの部分の開発を進めたためで、Windows 7 β版より後にSensor APIが搭載されるようになった。エンドユーザーが利用できるようになったのはRCから。そのため、マイクロソフトでは年内にSensor APIに対応したソリューションを出すのは難しいと考えていたが、アイ・オー・データ機器が先行投資して開発を進めていたことでセンサーデバイスを年内に発売できたと解説。

また日本は、家電製品で数多くのセンサーを利用している"センサー王国"であることから、マイクロソフトはSensor APIの搭載が重要と考えていた。エアコンでは人がいる方向に風を送り、トイレでは人が入るとフタが開く。しかし高機能なPCでもこのようなセンサーを使った機能はほとんど実現できていなかった。そこでセンサーを使ったさまざまな機能を容易に実現するためにSensor APIを開発したという。

長い間PCは、マウス、キーボードだけを使って入力し、ディスプレイを使って表示するという、非常にレガシーなコミュニケーションが続いていた。Sensor APIを利用したSENSOR-HM/ECO以降は、ユーザーがどういう状態なのかを、将来的にはどう考えているかまで感じ取って、OSが動くという新しい体験を提供できるとした。周囲の光が明るい環境ではディスプレイのバックライトを明るくするように輝度の調整するなど、いろんなセンサーを使ってOSが判断することで、ユーザーにとって最適な動作を行う、人を感じるWindows 7が実現できるという。

Windows 7で新搭載された温度、湿度、照度、加速度など、さまざまなセンサーが利用できるSensor APIにより、Windows 7が周囲の環境にあわせてユーザーに最適な状態を自動的に提供できるようになる

Sensor APIを活用すれば、たとえば周りの明るさにあわせた輝度の変更や、音声による機器の操作などが可能になる

さらに、Windows 7は旧バージョンと比べて命令の効率化を進めることで、電力消費が10%程度削減できる仕様となっている。これに加えてSENSOR-HM/ECOを使うことで、さらなる削減を行いECOに貢献できると解説した。