撮影の操作性を見てみよう。電源を入れると、約1.8秒で起動し液晶モニターが点灯する。撮影モードは、オートのほかプログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出、シーンモードに対応。絞りとシャッター速度はグリップの前後にあるダイヤルで、露出補正は十字キーの上下でそれぞれダイレクトに調整できる。
感度やホワイトバランス、画質などの主要設定は、背面のADJ.レバーで呼び出すことができ、ADJ.レバーの内容を他の設定に変更もできる。さらに、十字キーの上下左右に任意の機能を割り当てたり、好きな設定の組み合わせをマイセッティングモードとして登録することもできる。このあたりの豊富なカスタマイズ性は、これまでのGXやGRシリーズから受け継がれたものだ。
操作面での新しい仕掛けは、コントロールパネルに対応したこと。背面左上のDIRECTボタンを押すと、絞りやシャッター速度、ホワイトバランス、感度などの主要設定が液晶のライブビュー画面上に重なって表示され、ダイヤルや十字キーを使って各パラメーターのダイレクト変更ができる。このコントロールパネルは、エントリー向けの一眼レフ機に近い操作インタフェースといえる。
ちなみにコントロールパネルは、将来的にカメラ以外のユニットが開発された際に、ボディ側にある既存のボタンやダイヤルではまかなえない機能や設定が割り当てられる可能性が含まれている。
そのほか、メニュー画面から設定できる主な機能としては、電子水準器やインターバル撮影、露出やホワイトバランスのブラケット、アスペクト比1:1モード、DNG形式のRAW記録、マニュアルフォーカス、フルプレススナップ、ストロボのマニュアル発光、ディストーション補正などがある。GXやGRシリーズと同じく、凝った撮影に対応する多機能さだ。
機能の中には、装着するユニットによって違いが生じるものもある。たとえば、3倍ズーム付きユニットでは、イメージセンサーシフト式の手ブレ補正を利用できるが、単焦点レンズユニットは手ブレ補正機構は持たない。また絞り値はもちろん、選択可能なシャッター速度や連写、動画サイズ、バッテリー寿命などもユニットごとに異なる。
レンズの歪みを補正する「ディストーション補正」に対応。ただし単焦点レンズはそもそも歪みがほとんどない |
単焦点レンズは、レンズ先端から最短7cm(撮像面から15cm)の接写ができ、最大の撮影倍率は1/2倍に対応 |
AFは、コンパクトデジカメで一般的なコントラスト検出方式で作動し、今回試用した単焦点レンズ付きユニット「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」の場合、通常モードで最短30cm、マクロモードで最短7cmの接写ができる。AFスピードは通常撮影では特に問題はないが、薄暗いシーンやマクロ域ではもたつく。ピント合わせの効率を高めるには、適時マニュアルフォーカスに切り換えるようにしたい。…つづきを読む