台湾VIA Technologiesは1日(現地時間)、最新・最小のフォームファクタとして「Mobile-ITX」を発表した。ボードサイズは6×6cm。I/Oはベースボード経由で利用するComputer-on-Module(COM)タイプの製品となる。今回はフォームファクタのお披露目であり、最初の製品は2010年第1四半期に発表される見通し。

手のひらに収まるサイズの「Mobile-ITX」

I/Oは全てベースボード側に用意される

Mobile-ITXは、2007年6月に開催されたVIA Technology Forum(VTF)において、初めて紹介されたもの。このときのボードは7.5×4.5cmサイズと長方形だったのだが、その後のEmbedded Technology 2008では現在と同じ6×6cmのボードが公開されていた。

ここで改めて、これまで登場したVIAの各フォームファクタと大きさを比較したい。面積はいつも通り従来の半分、Mini-ITXから比べると1/8となっている。Pico-ITXで初めて長方形になったが、Mobile-ITXでは再び正方形に戻った。

名称 大きさ 面積 正式発表
Mini-ITX 17×17cm 289平方cm 2001年11月
Nano-ITX 12×12cm 144平方cm 2004年3月
Pico-ITX 10×7.2cm 72平方cm 2007年4月
Mobile-ITX 6×6cm 36平方cm 2009年12月

Mobile-ITXは非常に小さいために、I/Oは全てベースボードを利用する。Mobile-ITXのメインボード側には、CPU、チップセット、メモリ等PCとしての機能が搭載されており、裏面の120ピンコネクタ×2個でベースボードと接続。これを経由して、VGAなどのディスプレイ出力や、IDE/USB 2.0/PCI ExpressなどのI/Oが利用できる。

Mobile-ITXのホワイトペーパーには、ベースボードの例として、小型タイプ(左)やMini-ITXタイプ(右)などが提示されている

アプリケーションごとにベースボードはカスタマイズできるので、様々な用途に柔軟に対応可能。従来以上にコンパクト・薄型のx86プラットフォームを構築できるというメリットがあり、同社はMobile-ITXフォームファクタを、医療、軍事、ロボット、運輸などの分野に適していると紹介している。

同社のリファレンスボードには、CPUとして1GHz駆動のC7-M ULVプロセッサを搭載。Mobile-ITXにあわせ、パッケージも従来のNanoBGA2(21×21mm)から、さらに小型のMobileBGA(11×11mm)が採用されている。チップセットはグラフィックス統合型のVX820で、こちらも従来よりは小さなパッケージになった。

■リファレンスデザイン
プロセッサ C7-M ULV(FSB400MHz)
チップセット VX820
グラフィックス Chrome9 HC3(チップセット内蔵)
オーディオ Vinyl VT1708B
メモリ 512MB DDR2-667/533(4チップ)
電源 DC 5V
フォームファクタ Mobile-ITX(12層基板)