10月28日より30日までの3日間、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜にてFPDの国際展示会「FPD International 2009」が開催されている。今回はLEDや太陽電池といった社会のグリーン化に向けたエレクトロニクス技術に関する製品・サービスの展示会「Grren Device 2009」との2展同時開催となっている。
FPD Internationalは今年で16回目の開催。3Dディスプレイや電子ペーパー、有機ELなどの次世代ディスプレイなども展示されている。一方のGreen Deviceは初開催となる催しで、FPDの製造技術の応用が可能な太陽電池などの製品や家庭用照明向けLEDなどの展示が行われている。今回は、両展で見かけたFPD/グリーンエレクトロニクス関連の開発品などを中心にレポートしたい。
LCDから太陽電池、LEDまで総合展示のシャープ
LCDおよび太陽電池大手のシャープは、LCD、太陽電池、家庭用照明向けLEDと、FPD、グリーンデバイスの両方を前面に展開している。
LCDでは大型パネルなどもあるが、今回同社が注力しているように見受けられたのはメモリ液晶。開発品から新製品までかなりの数が出展されている。
メモリ液晶は簡単に構造を説明すると、各液晶の画素内に1ビットメモリを内蔵することで従来の液晶パネルに比べてより低消費電力で駆動が可能となるというもの。「散乱型液晶タイプ」と「HR-TFTタイプ」の2種類があり、散乱型は環境照度が低くても視認可能という特長がある一方、HR-TFTは白黒のくっきり感を出せるほか、高速書き換えにより電子ペーパー的な使用に向いている。
また、太陽電池としては結晶系太陽電池のほか、薄膜太陽電池も展示。薄膜シースルー太陽電池として、向こうが透けて見える太陽電池の展示を行っていた。この展示モデルのセル寸法は560mm×925mmでセル枚数は2枚、会効率は10%で、公称の最大出力は67Wだという。
なお、同社ブースの照明はLEDを用いているとのこと。
次世代LCDの開発を進めるSamsung
Samsung Electronicsのブースは、液晶パネル中心の展示だが、Future Technologyゾーンとして、次世代LCDなどの展示を行っている。
今回展示されているのは酸化物半導体を用いた17型の「Oxicide TFT-LCD」のほか、10.1型の「Plastic e-Paper(電子ペーパー)」、10.7型の「Video Capable e-Paper」といった電子ペーパー関連。
Oxicide TFT-LCDの解像度は1280×1024で、移動度は7cm2/Vs以上、Ion/Ioffレシオは1E+7以上としている。また、プラスチック電子ペーパーは解像度450×600で、コントラスト比は10:1、厚さは0.7mmとなっている。
小型から30型までのAMOELDを展示
Samsung Mobile DispalyはSamsung Electronicsブースとは一転、小型LCDの展示もあるが、アクティブマトリクス型の有機EL(AMOLED)の展示がメインとなっている。
AMOLEDは3.1型から30型まで幅広いラインナップが展示されており、例えば3.1型パネルの解像度はWVGA(480×800、307ppi)、輝度は300cd/m2、表示色は1670万色になっており、すでにスマートフォンなどに向けて量産が行われている。
また、PC用モニタとして展示されていた14型パネルは厚さが2.7mm(モジュール)で解像度がWXGA(1366×768)に対応、輝度は300cd/m2、コントラスト比100万:1を実現、表示色数は10億7,300万色を実現している。
さらに、30型パネルは、解像度が1920×1080のフルHDに対応。表示色数は1670万色で、輝度は200cd/m2、コントラスト比は100万:1となっている。