日本写真印刷(NISSHA)は、島根県産業技術センター(SIIT)と共同で、色素増感太陽電池(DSC)を開発したことを明らかにした。2010年初頭より、サンプル出荷を開始する予定。

今回開発された色素増感太陽電池

意匠性の高い太陽電池を作成することが可能となる

NISSHAは、自社の固有技術である印刷技術を生かせる新規事業としてDSCに着目、DSCの要素技術を有するSIITと2008年11月より、共同研究を行ってきた。今回の成果は、SIITが有していた要素技術にNISSHAの印刷技術を加えることで、DSCを量産可能なレベルの製品へと引き上げた点にある。

今回開発されたDSCは、従来弱点とされていた耐久性を高めることに成功している。その性能保持率は、12cm角モジュールにおいて、約300日の屋外暴露試験で95%以上を達成しているほか、+85℃から-40℃への温度サイクル試験(200サイクル)で95%以上、連続光照射試験(1SUN、40℃、500時間)で95%以上となっている。

また、同モジュールの発電性能は、発電部面積変換効率が6.7%、アパーチャ面積変換効率が6.0%となっている。なお、DSCは色素を選択することで、さまざまな彩りを作り上げることが可能であり、NISSHAでは、固有技術を融合させることで、色彩が豊かな太陽電池の設計が可能になるとしている。