WebKitでの試験実装を利用したデモ

WebGLをご存知だろうか? 端的にいえば、Webブラウザ上で3D描画を可能にする技術だ。ただ従来までの3Dテクノロジーと違うのは、プラグインを必要としないこと、Webブラウザ上でネイティブ動作し、場合によってはハードウェアアクセラレーションにより高速動作が可能になるという特徴がある。ゲーム開発メーカーのWolfire Gamesによれば、近い将来にも3DゲームはWebブラウザへと稼働プラットフォームを移行する可能性があるという。

WebGL自体はまだ実装が開始されたばかりの仕組みであり、現状ではAppleが支援するオープンソースのレンダリングエンジンWebKitで試験的に実装が行われただけだ。だがそのデモを見れば、片鱗の部分だけでも可能性が体感できるだろう。

仕組みとしてはHTML5で導入されるCanvasタグを使って3D描画を実現している。OpenGL ES 2.0をJavaScriptで実装し、前述のCanvasエレメントで描画を行う。OpenGLを用いて描かれたオブジェクトらが非常にスムーズに動作していることがわかるだろう。WolfireではWebGLを使って作成したミニゲームのデモを公開していく予定だという。

Wolfireは同社Blogへの投稿の中で、WebGLのインパクトについて説明している。Gmailがデスクトップのメールソフトを駆逐しつつあるように、同じことが3Dゲームでも起こる可能性があるというのがその意見だ。だがWebKitへの試験実装が開始されたばかりであることからもわかるように、本格的にWebGLが市場に出回っているWebブラウザに標準実装されるのはまだ先の話だ。例えばSafariにWebGLが実装されるようになるには最低でも今から半年はかかるだろう。だが一方でGoogle、Firefox、Operaなどの勢力もWebGLワーキンググループに参加しており、今後の展開に期待が持てる技術だ。