米Googleは8月5日 (現地時間)、Beta Channelで提供しているWebブラウザ「Chrome」のベータ版をアップデート(v3.0.195.4)した。Chrome Blogによると、V8ベンチマーク(バージョン5)およびSunSpider JavaScriptベンチマークで、最新ベータはStable Channelで配布されている安定版を30%以上も上回るという。ほかにも新しいタブ・ページの操作、Omniboxの表示、テーマ変更、HTML5対応などが強化された重要なベータ・リリースとなっている。

最新ベータの新しいタブ・ページでは、"よくアクセスするページ"のサムネイルの位置をドラッグ&ドロップで移動させたり、ピンで固定できるようになった。またページ右上のレイアウト・ボタンを通じてサムネイルを隠したり、リスト表示への切り替えなどが可能になった。

新しいタブ・ページでドラッグ&ドロップによるサムネイルの並べ替えが可能

ChromeのアドレスバーはWebページだけではなく、検索、履歴、ブックマークなどにも効率的にアクセスできるOmniboxとなっている。少ないキーストロークで様々な情報を引き出せる便利な機能だが、ドロップダウン・メニュー内で候補の種類を区別しにくいという声が寄せられていたという。最新ベータでは、種類を示すアイコンで候補を簡単に見分けられるようになった。

Omniboxが提示する候補の種類がアイコンで見分けやすくなった

Chromeの開発ではカスタマイズ機能よりもセキュリティが優先されてきたが、最新ベータではテーマを変更できる。テーマギャラリー・ページにアクセスしてテーマを選択する。8月5日時点で用意されているテーマは29種類。安定版に組み込むタイミングでは、より多くのテーマが選択可能になるという。

テーマを"Glass"に変更

このリリースからvideoタグやWeb workersなどHTML5機能が本格的にベータ版に組み込みこまれ始めた。その点では次期正式版に向けた節目のリリースと言える。スピードに目を向けると、JavaScript実行の強化以外にも、ユーザーのネット利用を快適にするチューンナップが施されている。例えば、あるWebページのローディングが終了する前に別のWebページを開いた場合、Chromeは古いページよりも新しいページを優先して、テキスト、画像、ビデオをフェッチする。ほかにもDNSキャッシング、DOMバインディングの改善、プロキシ自動構成でのV8利用など、様々な高速化への取り組みが盛り込まれている。