前述したように、今回の試用機はスペック的に従来モデルと何ら変わりのないものだが、改めてその実力を確かめる意味で「PCMark05」と「3DMark06」によるベンチマークテストを行ってみた。

既にご存知の方も多いと思うが念のため説明しておくと、VAIO type Zシリーズでは従来よりハードウェアスイッチでグラフィックス性能を「STAMINA」モード(チップセット内蔵グラフィックス)および「SPEED」モード(NVIDIA GeForce 9300M GS)の2種類に切り替えられる機能を搭載しているので、それぞれについてベンチマークを実施。ちなみに電源設定はSTAMINAモード時が「バランス」、SPEEDモード時が「高パフォーマンス」だ。

再起動せずにグラフィックス性能を「STAMINA」モードおよび「SPEED」モードの2種類に切り替えられるハードウェアスイッチ

モード STAMINA SPEED
PCMark05 PCMark N/A N/A
CPU 7140 7152
Memory 5724 5837
Graphics 2323 3760
HDD N/A N/A
モード STAMINA SPEED
3DMark06 3Mark Score 1020 1499
SM2.0 Score 322 432
HDR/SM3.0 Score 389 588
CPU Score 2408 2561

PCMark05の結果は、さすがハイパフォーマンスを謳っている機種らしくモバイルPCとは思えないほど高い数値を叩き出した。しかし残念なのは、SSDのRAID 0設定で2万超えも期待される「HDD」項目のスコアがN/Aになってしまったこと。Futuremark社の最新パッチや各種ドライバの導入など返却期限ギリギリまで粘っても解決しなかったため、代わりにストレージのデータ転送速度が測定できる「CrystalDiskMark 2.2」を使用してみた。その結果、シーケンシャルリードが305.8MB/sでシーケンシャルライトが260.5MB/sという素晴らしいスコアを記録。動画編集などの高速化を図りたいユーザーにも嬉しいスペックだ。

「CrystalDiskMark 2.2」ではシーケンシャルリードが305.8MB/s、シーケンシャルライトが260.5MB/sという高記録をマーク

一方で3DMark06のスコアは極端に高いとはいえないが、搭載グラフィックカードが「NVIDIA GeForce 9300M GS」であることを考えれば妥当なところ。かなりの高画質で3Dゲームをプレイしたいという場合を除き、一般的な画像処理レベルであれば十分だろう。

また、試用機には標準バッテリーパック(S)が装着されていたが、SPEEDモード&高パフォーマンス状態でFFBench(Low)をループさせたバッテリ持続時間は1時間49分43秒となった。ここではワイヤレスLANもオンにしているため、不要な環境ではワイヤレスLANを切り、STAMINAモードで駆動すればかなりの省電力化が図れるはずだ。

ちなみにベンチマーク中は、薄型モデルにありがちなパームレストが熱を持つようなこともなく実に快適だった。本体左側面にある排気口を塞ぐような使い方さえしなければ、熱に関する心配はまったくなさそうだ。