ウィルコムは13日、保険医療福祉分野の公開鍵基盤「HPKI」を利用するためのHPKI標準ICカードドライバーのライセンスを三菱電機グループから取得し、医療・介護福祉機関などを対象に、7月下旬をめどにライセンスの販売を開始すると発表した。

「HPKI」は「Healthcare Public Key Infrastructure」の略。2006年に厚生労働省の「保健医療福祉分野PKI認証局証明書ポリシ」により策定された、医師・薬剤師・看護師などの25の保健医療福祉分野の国家資格と、病院長などの4つの医療機関の管理責任者の資格を認証する電子証明書を指す。

「HPKI」利用イメージ

HPKIを利用することで、例えば、医師が医師資格を保有することを示す電子署名を付した「電子紹介状(診療情報提供書)」や「電子診断書」を電子的に作成し、受け取り側では「作成者」「医師資格を保有の有無」「データが改ざんされていないこと」を電子的に検証できるようになる。これにより、医師が作成した医療情報が正当なものと確認でき、医療サービスの向上にもつながる。

三菱電機グループでは、保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)のJAHIS標準08-002「HPKI対応ICカードガイドライン」に準拠した、ICカードHPKIアプリケーションに対応するICカードドライバーを開発。今回ウィルコムでは、同ドライバーのライセンスを三菱電機グループから取得した。

ウィルコムでは、同ドライバーのライセンス販売を開始することで、「医療情報の通信に必要なインフラをトータルに提供し、医療分野におけるICT化の普及・拡大を目指す」としている。