米Sun Microsystemsは6月30日 (現地時間)、デスクトップ仮想化ソフトウエアの新版「VirtualBox 3.0」をリリースした。仮想マシンにおけるマルチプロセッサ・サポート強化を通じて大量のデータ処理に対応。またグラフィックス・サポートの向上で、ゲストで利用できるデスクトップアプリケーションの幅が広がった。サポートするホストOSは、Windows Vista/ XP (32bit/64bit)、Windows Server 2008/ 2003、Mac OS X (Intel CPU)、Linux (32bit/64bit)、OpenSolaris (2008.05以降)、Solaris 10 (5/08以降)など。個人利用の場合はVirtualBoxのサイトより無償でダウンロード入手できる。また企業向けに、24時間 / 7日間対応のテクニカルサポートを含むサブスクリプションサービスを用意している。価格は1ユーザーあたり年間30ドルから。

VirtualBox 3.0では、仮想SMP(Symmetric Multiple Processing)システムを通じて、1つの仮想マシンで最大32個の仮想CPUをサポートする。これによりデスクトップクラスのワークロードだけではなく、サーバクラスの大量のスレッド処理にも対応できるようになった。またVirtualBox Web Consoleプロジェクト向けにAPIプラットフォームがアップデートされている。デスクトップ機能はグラフィックスが主な強化点だ。WindowsゲストでDirect3Dをサポートし、コンピュータモデリングや3Dデザイン、ゲームなど3Dグラフィックス性能が問われるWindowsアプリケーションを仮想マシンで実行できる。Open Graphics Library (OpenGL) バージョン2.0のグラフィックス・ハードウエアアクセラレーションに対応。Windows、Linux、Solaris、OpenSolarisなどのゲストで利用できる。他にも、ストレージ機器、iPodやiPhoneなど、幅広いUSB機器のサポートが追加された。

Sunによると、2007年10月以来のVirtualBoxの累積ダウンロード数は1,450万件を超え、登録者が400万人に達した。現在も1日25,000件以上のダウンロード・ペースを維持しているそうだ。