前回はセルの操作方法について説明しました。セルを操作する時、いろいろな条件によって処理の方法が違う時があると思います。VBAでは条件による分岐をサポートする文法があります。ここでは、条件分岐の機能を提供するIf文とSelect文について説明したいと思います。
ゼロからはじめるVBA - 基本編
ゼロからはじめるVBA - VBA事始め編
ゼロからはじめるVBA - セル操作編
If文
条件分岐命令には、分岐するための条件を表す条件式というものがあります。条件分岐命令では、この条件式が正しいか正しくないかを判断して処理を分岐します。
条件式の書き方
条件式の説明をします。
(1)比較演算子
式の形は「a = 1」のように「=」などをはさんで右と左に式を書きます。「=」を比較演算子といいます。「=」演算子では、右の式と左の式の答えが同じ場合に「条件式は正しい」ということになります。比較演算子は複数あります。それぞれ処理したいものによって、どれを書くかを決めてください。
比較演算子
比較演算子 | 説明 | 例 |
---|---|---|
= | 左右の式の値が等しい | a = 10 |
<> | 左右の式の値が等しくない | a <> 10 |
< | 左の値は右の値より小さい | a < 10 |
> | 左の値は右の値より大きい | a > 10 |
<= | 左の値は右の値と同じか小さい | a <= 10 |
>= | 左の値は右の値と同じか大きい | a >= 10 |
(2)論理演算子
条件を複数並べたい時や、書いた条件式が正しくないものを処理したい時など、論理演算子を使用します。
論理演算子
論理演算子 | 正しいと見なすケース | 例 |
---|---|---|
And | Andをはさんで右の条件式と左の条件式どちらも正しい時 | a = 10 And b = 10 |
Or | Orをはさんで右の条件式と左の条件式どちらかが正しい時 | a= 10 Or b = 10 |
Not | 右の条件式が正しくない時 | Not(a = 10) |