三菱電機は6月16日、一般産業機器のインバータ駆動用パワー半導体モジュール「IGBTモジュール NXシリーズ」の新製品として、電力損失を抑制した新製品「CM150TX-24S」を2009年7月1日よりサンプル出荷することを発表した。サンプル価格は2万5,000円(税抜き)となっている。

三菱電機が新たに製品化したIGBTモジュール NXシリーズ「CM150TX-24S」

同製品は、耐圧1200V 定格電流150Aの6素子入りのモジュール。同社独自のウェハに深く溝を掘ったトレンチ構造にキャリア蓄積層を設けたCSTBT(Carrier Stored Trench Gate Bipolar Transistor)のセル構造を改善し、安全動作領域を確保しつつオン抵抗を低減させたIGBTと、オン電圧を小さくしたダイオードを開発、搭載することで、インバータ動作時の電力損失を従来品(CM150DX-24A)比で、約20%低減することが可能になった。このため、例えば1200V 150AのIGBTモジュールで対応可能な30kWのインバータでは損失が約200Wから約160Wに低減されることとなる。

また、NXシリーズは、取り付け面の寸法を統一しているほか、ピン端子・ネジ端子(電極)・金属ブッシュなどの形状も統一しているため、配置や組み合わせをカスタマイズでき、ネジ止め、はんだ付けなどの接続方法を柔軟に選択することができ、従来品との互換性があることから、インバータ設計の省力化も可能となる。

なお、同社では今後、定格電流や素子構成の異なる製品を順次ラインアップに加えていく計画としている。