地デジやBDで映画などを鑑賞していると、何度も観た作品なのに、まるで初めて観たかのように錯覚してしまう瞬間がある。DVDやアナログ放送などでは解像度の低さから見逃してしまっていたようなものが、デジタル放送やBDではくっきり見えるため、「こんなところに、こんなものがあったのか」と驚くのだ。

また、フォーカスの合っているところと、ぼけているところの違いがはっきりしているため、全体の立体感も際立って見える。もちろん、画質面だけでなく、音質面のクオリティも高くなっており、一定水準以上のスピーカーを利用すれば、臨場感あふれるサウンドを楽しむことができる。

本体右側面には、Blu-ray Discドライブが搭載されており、市販のBDビデオタイトルを再生することができる

本体上部には、地デジ受信用のB-CASカードスロットが用意されている

本製品のいいところは、こうしたフルHDコンテンツが持つメリットを、初心者でも気軽に享受できるような設計になっているところだ。独自の高画質エンジン「Motion Reality HD」が搭載されており、高精細になればなるほど気になる映像のノイズも極力抑えて再現してくれる。

また、テレビ番組やBDなどのコンテンツに合わせてディスプレイ設定を自動的に切り替える機能が搭載されており、手間をかけずに番組内容に最適化した映像を楽しむことができる。

色再現性の高い液晶と、独自の高画質エンジン「Motion Reality HD」により、映像のシズル感などもしっかり伝わってくる

液晶自体のクオリティも高く、色再現性はかなり高い。液晶によっては、黒浮きしてしまい、映画などの暗いシーンがのっぺりと再現されて興ざめしてしまうこともあるが、本製品の場合はそうした場面でも微妙な階調がしっかり表現されている。ハイライトの粘りもよく、ビビッドな原色もきれいに再現される。2層BDをフルに使った高ビットレートなタイトルでも、安心して楽しめるクオリティだと言えるだろう。

便利に使える多彩な視聴・録画機能

本製品には、地上デジタルチューナーが2基搭載されている。そのため、観たい番組が重なった場合でも、同時録画(あるいは、視聴しながら裏番組を録画)することができる。うれしいのは、同時録画中でも、録画済みの番組を再生できる点。また、メモリが標準で4GBあるせいか、ながら視聴の際でもOSやアプリケーションの動作にひっかかりを感じることがないのもいい。

地デジの視聴・録画には、ソニーオリジナルのソフト「Giga Pocket Digital」を使用する。同ソフトには、ユーザーが設定したキーワードに関連する番組を自動的に録画してくれる「おまかせ・まる録」機能や、ユーザーの好みに合わせて番組を自動録画してくれる「番組おすすめ」機能などが搭載されており、見逃しや録り逃しを極力減らすことができる。忙しくてテレビ欄をチェックする時間のない人にはありがたい機能だ。

また、最近のトレンドであるAVC録画にもしっかり対応している。本体には、地デジのMPEG2-TSよりも高圧縮率のAVC形式にリアルタイム変換できる「VAIO AVCトランスコーダー」が搭載されており、同じデータ量でもより長時間録画することが可能。ハードウェアでの変換のため、通常のソフトウェア変換に比べてCPU負荷が低くすむのも特長だ。

録画した番組は、BDやDVDにダビングするほかに、ワンセグデータ部分をメモリースティックに書き出して、PSPで楽しむこともできる。有償プラグインを購入すれば、SDカードへの書き出しも可能だ。

ユーザーが設定したキーワードに関連する番組を自動的に録画してくれる「おまかせ・まる録」機能

テレビ番組は、フルスクリーンやウインドウ表示のほか、サイドバーに表示させることも可能。ながら視聴には最適

録画した番組はワンセグデータ部分をメモリーカードに書き出して、PSPや携帯で楽しむこともできる