フォトカプラとi Couplerの比較

1.実装面積と部品点数の削減

4チャネルのデジタル信号絶縁を実現した場合、フォトカプラの例では図8に示したように18個の部品と425mm2の基板面積が必要となる。

図8:4チャネルのデジタル信号絶縁をフォトカプラで実施した例

一方、同様の機能をi Couplerで実現した(型番:ADuM1401)場合は、図9に示したようにシンプルな3個の部品と2/5程度の小さい基板面積で構成することができる。

図9:4チャネルのデジタル信号絶縁をi Couplerで実現した例

これに伴ってトータルのコストの削減と組み立て工程数減少により、信頼性が高まることが期待される。

2.データレートが高い場合でも低消費電力

i Coupler製品の内部回路は、消費電力の少ないCMOSで構成されておりコイルでの消費電力も最低限に抑えられているため、消費電力は従来のフォトカプラに比べて10Mbpsにおいて約1/10程度に抑えられている(図10)。

図10:フォトカプラとの消費電力比較

消費電力が少ないため、放熱の問題が緩和され信頼性が向上し温度による性能変化が少ない。特に機器の小型化・高密度化に向けた場合に有利となる。

3.高いデータ伝送性能

高速データ伝送では最大データレート値もさることながら、伝送レートが高くなるのにしたがいタイミング性能が重要な問題となる。表1のようにオプトカプラの製品と比較した場合、i Couplerは同一データレートでも伝達遅延時間で半分の遅れしかない。またSPIのような複数の通信線でのタイミングに敏感な通信プロトコルの場合、チャネル間マッチングや部品個別でのマッチング(バラつき)が小さいほど問題が起こりづらく使いやすいと言える。

表1:オプトカプラとのタイミング性能比較

4.高い信頼性と各国の安全規格を取得

i Couplerはすべての製造工程において既存の半導体プロセスを使っているので、一般の半導体製品と同等の高い信頼性を備えている。特に絶縁性能を決める絶縁層の厚さ、均一性、高品質性は厳密に管理されているほか、すべての製品を出荷テストにて高電圧を印加して(製品劣化しない安全な電圧範囲)絶縁性能を確認している。

またi Coupler製品は各国の安全規格を取得しているので、フォトカプラと同様に安心して使用ができる。最新情報(各規格の証明書を含む)は関連サイトを参照いただきたい。

アプリケーション例

i Couplerは絶縁が必要とされる通信のすべての部分にフォトカプラの代替えとして置き換えることができるため、応用範囲は広い。特に高速な通信や信頼性が要求される産業機器や医用機器には最適なソリューションとなる。その例を示す。

i Couplerの使用アプリケーションの例