楽天ではなくなぜアマゾンだったのか


──「楽天」などでも同様(特産品を扱う)の取り組みが行われているが、アマゾンを選んだ理由は?

基本的にお声を掛けていただいたところと交渉をさせていただくという姿勢で、特定の企業に限ってということではない。今回はアマゾンジャパンからの提案がありましたので、積極的な対応をさせていただいた。他からもお話があれば、もちろん柔軟に対応して行きます。

この質問の内容に対してチャン社長は、「弊社のお客様より、宮崎県の特産物を扱って欲しいという声が多かった。その要望に応えたいという想いがあって、"特産品フェア"という形で行いました。これを機に、他の地方の特産物についても同様の取り組みをして行きたいと考えています」と説明していた。

──今回のようなネットへの取り組みのメリットをどのようなところに感じていますか?

宮崎県の売り込みでいろいろな場に顔を出すにしても、私の身体が一つなので、実際に足を運ぶにはも限界がある。ネットは、そういった物理的に難しい部分をカバーしてもらえる一つの方法なのではないかと考えています。(興味を持たれた方が)足を運ばなくても買えるというネットでの利便性は高く、地域活性化に必要なツールだと思いますので、積極的に対応して有効活用して行きたい。

──今後、アマゾンを活用して他の地方の特産品が出てくると、宮崎県の競合(ライバル)になるのでは?

今は、それぞれの県がお互いに繋がることで、さらなる活性化を促すフェーズに入っていると思っています。アマゾン初の県産品の取り扱いということですが、宮崎だけではなく、他の地域の方々もこれを契機に取り組んでいただければ、お互いの地域活性化に繋がって行くのではと思っています。

宮崎県の特産品は、私が前に出て行かなくても実力で勝負できる時期に来ている。生産地や流通関係の皆さんも、誠意を持って対応していただいているので、その点は安心しています。もちろん、それにあぐらをかくことなく全力を尽くして行きたい。

宮崎"てげうめ"グルメフェアに出展中の34社、429品をアピール。ご当地ビールや宮崎牛を使ったカレーなどが人気だそうだ。ネットならではの意外な特産品がブームになる可能性も大だ

宮崎県のグローバルへの展開


──アマゾンは(ワールドワイドな)グローバルサイトですが、宮崎県の世界への展開は考えていますか?

私はマニフェストに、アジアを含めた世界戦略について挙げ、推し進めていますが、こういった取り組みによって、宮崎の県産品なり"宮崎県"というものが世界へ広がっていくことを期待しています。

なお、東国原知事は「そのまんまマニフェスト」に掲げた"「宮崎がんばいよ」宣言!「将来」の生活向上への投資"と題した政策の「農林水産振興」の項目の中で、「商談会の実施やマッチングを通じた大都市や東アジアなどの海外市場への販路の拡大支援」を挙げている。知事就任二年目における達成状況検証会で使用された自己評価では、「東アジア販路拡大戦略(仮称)」を策定中としている。

以上までのコメントで、宮城県のPR活動にネットを活用していこうという知事の心意気が感じられたが、筆者はさらに知事自身が現在どの程度、インターネットや携帯電話による情報コミュニケーション手段を活用しているかについて、質疑応答で訊ねてみた。