エプソンダイレクトでは、コンパクトなボディにMicrosoftの家庭用サーバ向けOSであるWindows Home Server日本語版を採用し、ストレージ領域も最大1TBまで確保できる個人向けホームサーバ「Endeavor SV120h」をリリースした。早速、同OSとSV120hが持つポテンシャルと利便性を紐解いてみる。

Endeavor SV120h

評価機の主な仕様  [CPU] Intel Core 2 Duo P8600(2.4GHz)  [チップセット] Mobile Intel GM45 Express + ICH9M-E  [メモリ] 2GB(最大4GB:使用可能な領域は約3GBまで)  [HDD] 1TB(500GB×2)  [ディスプレイ] なし  [サイズ/重量] W75×D185×H195mm/約2.2kg(基本構成時)  [OS] Windows Home Server 日本語版  [評価機構成価格] 120,540円(基本構成価格:64,890円)

Windows Home Serverとは

データサイズの肥大化や、コンピュータの複数台使用、LANの普及も相まって個人用ファイルサーバのニーズが高まっている。ファイルサーバを構築するためにはOSが必要となるが、サーバ向けOSであるWindows Server 2003は機能が十分ながらも、逆に多すぎる機能がコンピュータ初心者には煩雑に感じさせてしまうと同時に、OS費用が高くついてしまうため、安価にまとめ上げるのが難しい。そのような背景を元にMicrosoftがファイルサーバ機能が特に優れたOSとして、Windows Server 2003をベースに作り上げたのが、Windows Home Serverだ。

図01 クライアントコンピュータをサーバに登録すれば、バックアップの自動化も行える

コンピュータに詳しいユーザーなら、Windowsネットワークを実装したSamba(サンバ)というフリーウェアを用いてファイルサーバを建てるケースも少なくない。だが、Windows Home Serverのアドバンテージは、ファイルやプリンタ共有だけではなく、Windows OSをベースとしている点にある。クライアントOS側に専用ツールを導入すれば、LANにぶら下がるクライアントOSのイメージバックアップや、ファイルバックアップを行なう自動バックアップ機能が備わっているため、重要な作業であることを認識しながらも、つい忘れがちになってしまうバックアップ作業も自動的に行なわれる(図01)。

また、インターネットを経由したリモートアクセスおよびリモートデスクトップ接続が可能なのもアドバンテージのひとつ。Windows Home ServerではWebサーバとなるIISが動作しているので、ルーターの設定をあらかじめ行なっておけば、外部からファイルサーバに接続し、ファイルのアップロードやダウンロードを行なえる。

さらに、Windows Home Serverに接続しているコンピュータのOSが、Windows XP ProfessionalやWindows Vista Business/Ultimateであれば、リモートデスクトップ機能を備えているため、インターネット経由でコンピュータの簡易的な操作も可能だ。もちろんセキュリティ的な不安が残る場合は同機能を無効にし、LAN内だけで使用することもできる(図02)。

図02 Webサイト接続機能を有効にしてから「SV120h」にWeb接続すると、画面のように共有フォルダへのアクセスや、他のコンピュータへリモートデスクトップ接続が可能になる

このほかにもWindows Media ConnectによるDLNAサーバ機能や、Windows Serverに対応したウイルス対策ソフト、Windows Home Serverの機能を拡張するアドオンの導入により、充実したファイルサーバの構築が可能だ。