OpenType機能の比較

続いて両ソフトの「OpenType機能」を見てみよう。QuarkXPressは、バージョン6.5でOpenTypeに対応したものの、異体字を選ぶ機能がなかったため、すべての字形を使用できるInDesignに比べると見劣りしていた。しかし、バージョン8になって「字形パレット」が新たに追加され、さらに合字や分数といったOpenType機能にもフルアクセスが可能になった。両ソフトの機能差は、ほとんどないと言っていいだろう。

左がInDesign、右がQuarkXPressの字形パレット。いずれのソフトでも、選んだOpenTypeフォントで使用可能なグリフがリストで表示される。テキストを選択すると、その異体字を一覧から選ぶこともできる。QuarkXPressでは、Unicodeの値で字形を検索することも可能だ

InDesignのOpenType機能メニュー(左)と、QuarkXPressのOpenType設定画面(右)。いずれのソフトでもOpenType機能をフルに活用できる

スタイルシート機能の比較

最後に「スタイルシート機能」を比較してみよう。QuarkXPressはバージョン3.3からあまり変わらず、古くからQuarkXPressを使用しているユーザには使いやすい。先に紹介した文字組みを組み込めるようになったので、基本的な組版を行うには不足のない仕上がりだ。一方、InDesignの段落スタイルシートでは、書体やサイズといった基本的な文字スタイルをはじめルビや圏点、行取りの設定などをまとめて設定することができる。使い勝手は個々の好みに左右されるが、隅々まで行き届いた細かい機能が多い分、InDesignの方が一歩リードといったところだ。

InDesignの段落スタイルシート設定ダイアログ。QuarkXPressと比べると設定項目が格段に多い。欧文をハイフンなしで分割する「欧文泣き別れ」機能など、InDesign独自の機能も多く用意されている

QuarkXPressの段落スタイルシート設定ダイアログ。4つのタブを切り替えて各種設定を行う。バージョン8では文字組みを設定できるようになった。フォントやフォントサイズは、文字スタイルシートを作成して段落スタイルシートに読み込む