先日、Windows Vista Service Pack 2 RC(Release Candidat: 製品候補版)が一般公開されました。そもそもサービスパックとは、Windows OSで発見された不具合やセキュリティホールなどに対してリリースされた修正モジュールの集合体であるため、ドラスティックに変更を加えることはありません。確かにWindows XP Service Pack 2における"セキュリティ強化機能搭載"という正式名称の付加や新機能の追加もありましたが、あれはMicrosoftの戦略方針変更による特例。Windows Vista Service Pack 2(以下、SP2)は、現在開発中である次世代Windows OSとなるWindows 7の存在も相まって、従来のWindows OSにおけるサービスパックと同じように、不具合の修正および一部新機能のサポートに留まっています。

図1: RC版では開発者向けとして2008年末にリリースされたベータ版からバージョンも進み、ビルドNo6002、バージョンNo286となっています

今回は一般公開から時間も経っていますので、導入手順は割愛しますが、いくつか注意点を。昨年末のWindows Vista SP2ベータ版を既に適用している環境では、一度ベータ版のアンインストールが必要となります。また、正式版では不要になると思われますが、今回のパッケージは事前にSP1の適用が必要となるのでご注意ください。さて、Vista SP2における主な新機能は下記のとおり。

Windows Vista SP2の主な変更点

■ハードウェア
VIA Technologies製64ビットCPUのサポート
Windows Vista Feature Pack for Wirelessの統合
 ・Bluetooth 2.1 のサポート
 ・ペアリング用ユーザーインターフェイスの統合
 ・Windows Connect Nowの適用
スリープモード復帰時における無線LANパフォーマンスの改善
フィードヘッドライン(ガジェット)のパフォーマンス改善
Blu-Rayディスク書き込みサポート
■OS
Windows Search 4.0の搭載
WMC(Windows Media Center)の保護コンテンツ再生状態を改善
最大TCPコネクション数に関するレジストリキーの追加

これは、TechNetに掲載されている公式情報「Notable Changes in Windows Server 2008 SP2 RC and Windows Vista SP2 RC」をまとめたものですが、ハードウェア周りではWindows Vista Feature Pack for Wirelessの統合がもっとも大きいでしょう。同パックは、Microsoftが一部のベンダーに提供していた更新プログラムで、Windows Vistaにおけるワイヤレス接続のサポートを強化するコンポーネントをまとめたものでした。