カシオ計算機は4日、同社本社にて新製品発表会を開催し、今年春夏モデルの腕時計を一斉に披露した。同社では、世界6局(日本2局、独、英、米、中)の電波を受信可能な電波時計機能「マルチバンド6」や、それに加えてソーラー駆動システムや耐衝撃性構造を搭載したアナログムーブメントの「タフムーブメント」を昨年新開発していたが、今年のラインナップではそれらの新技術をより幅広い製品ブランド上で展開する形になっている。

国内初投入となる「EDIFICE」ブランドの製品を中心に、春夏の新作を一挙に展示

今季のカシオ腕時計で最も大きな話題が、従来海外市場向けのブランドだった「EDIFICE(エディフィス)」を、この春の新製品から日本市場にも投入することだ。EDIFICEは2000年よりヨーロッパ市場を中心に展開されてきたメタルアナログウォッチで、主に男性の若者をターゲットにしている。昨年、F1ドライバー(当時)のデビッド・クルサード氏をイメージキャラクターとして起用するなど、モータースポーツの世界をテーマにしたモデルに特に力を入れている。

日本で発売されるのは2万円~5万円前後の価格帯のモデル。中でも最上位モデルの「EQW-M1000」シリーズは、マルチバンド6、大容量ソーラー充電システム「タフソーラー」などの搭載に加え、2層構造の文字板やディスク針などを使用したメカニカルなフェイスデザインを採用し、スペック・外観の両面でテクノロジー色を高めた構成になっている。

マルチバンド6とタフソーラーを搭載する、EDIFICEの最上位モデル「EQW-M1000」(5月発売予定)。2層構造の文字板のうち前面の文字板の左下を大胆にカットし、立体感と機能性を演出している

主力ブランドの「G-SHOCK」では、1983年に発売された初代モデル「DW-5000C」のデザインをベースに、マルチバンド6・タフソーラー対応の最新エンジンを搭載した「GW-5000」が登場した。DW-5000Cの裏ブタには、ビス止めではなくフタ自体をねじ込むことで固定する「スクリューバック」と呼ばれる機構が採用されていたが、裏ブタとボディの間にパッキンがないフルメタルのケースとなるため、外部からの電波を受信する必要がある電波時計には不利な構造だった。しかし、GW-5000ではスクリューバックの構造を継承しながら、今回電波時計機能の搭載を実現している。また、文字板に用いる色をグレー系で統一し、モノトーンの落ち着いたデザインとした。

初代G-SHOCKのデザインにマルチバンド6とタフソーラーという最新技術を搭載する「GW-5000」(5月発売予定)。モノトーンのカラーリングを採用した

こちらは、映画『「スピード』の中でキアヌ・リーヴスが着用していたことで話題となった「DW-5600C」(1987年発売)をベースとした「GW-5600」(6月発売予定)。タフソーラーを搭載する

G-SHOCKの上位モデルにあたるデジタル/アナログコンビネーションウォッチの「MT-G」では、タフムーブメント採用の上位機種に新カラーが登場。ベゼルやバンドを黒系カラーリングで統一し、従来文字坂上で赤を用いていた部分を白に変更するなどして、より落ち着いた大人向けのデザインにしている。

モノトーンの配色でより大人向けになったMT-Gの新カラー「MTG-1500B-1A1JF」(5月発売予定)