撮影サイズ、気にしたことある?

ここまでは撮影の基本について紹介してきた。最後に「撮影サイズ」について触れておきたい。実はケータイカメラで撮影する前にあらかじめ設定しておくと便利なのが撮影サイズだ。ブログに投稿する、印刷するといった用途に合わせた写真サイズを選んでおけば、撮影後の写真活用がスムーズになる。今回はブログやSNSの投稿用写真を撮ることを前提に、撮影サイズについて解説しよう。

撮影サイズの設定画面。カメラの画素数が増すと選択できるサイズも増える

壁紙サイズは機種により異なる。利用している機種のディスプレイサイズを確認してみよう

ブログやSNSの投稿に適したサイズはおおよそ「QVGA(320×240ドット)」「VGA(640×480ドット)」「SXGA(1280×1024ドット)」あたりだろう。

ブログなど日記系サービスには、写真を添付したメールを送信すると、記事に合うように自動的にリサイズしてくれる「メール投稿」機能を用意しているケースも多い。サービスによっては、画像を小さくする・サムネイル画像を生成する・元サイズのまま表示するなど機能は異なってくるが、ケータイに対応したサービスならば、そのほとんどがケータイで閲覧しやすいよう自動リサイズを行なってくれる。そのため、撮影サイズを気にすることなく、メール投稿を利用している人は多いだろう。

しかし、必要以上に高い解像度の画像を投稿するとリサイズによる画質の劣化が目立ったり、ファイルサイズが大きくなるためケータイからの投稿に通信時間かかったりもする。当然パケット通信料金がかさむ結果にもなる。そうした"ムダ"を省くためにも、ブログやSNS投稿用の写真であれば、撮影サイズはケータイの壁紙サイズかVGAサイズあたりにしておくのがベターな選択だろう。利用しているブログやSNSで、いくつかサイズを変えた画像をテスト投稿して画質や送信時間などの違いを確認することをおすすめする。

mixiでは大きな画像は自動で640ピクセルにリサイズする

PCのディスプレイ上での比較。mixiに投稿した画像(右上)と元データの画像(背面)。(リンク先は実寸大)

撮影サイズは機種により異なるが、初期設定は、その機種の壁紙サイズに設定されているか、カメラ起動時に壁紙サイズかカメラモード(壁紙サイズ以外)を選択できる機種もある。W63CAは後者で、カメラモードから画像サイズの設定ができる。

画像サイズの長辺と短辺を掛けるとおおよそ「画素数」と同等の値になる。一般的に、より高い画素数で撮影した画像を"高解像度画像"と言い、低い画素数で撮影した画像を"低解像度画像"と言う。以下は画素数における画像サイズの目安である。

解像度の比較(リンク先は実寸大)

画素数 画像サイズ(長辺×短辺) プリント時の目安サイズ 用途
約7万画素 320×240ドット ケータイの待受画像、ブログやmixiへの投稿
約30万画素 640×480ドット 名刺サイズ ケータイの待受画像、ブログやmixiへの投稿
約100万画素 1,280×960ドット L判サイズ ケータイの待受画像、ブログやmixiへの投稿、レタッチ、プリントアウト
約200万画素 1,600×1,200ドット 2L判サイズ レタッチ、プリントアウト
約300万画素 2,048×1,536ドット A4サイズ
約500万画素 2,560×1,920ドット A3サイズ
約800万画素 3,264×2,488ドット A3サイズ

高解像度の画像は、画像の加工がしやすく繊細な部分まで写り、画質面で優位だ。印刷する場合も高解像度での撮影がオススメだ。ただ、その分、ファイルサイズが大きくなるため、ケータイ本体やmicroSDカードなどへ保存できる枚数も少なくなる。また、メールでの送信や赤外線通信を用いた転送の際にリサイズ(縮小)する必要が出てきたり、データの読み込み(画像表示)に時間がかかったりする。一方、低解像度の画像は画質を抑えることでファイルサイズが小さくなり、そのままデータ転送にも使えるなどケータイ上でも軽快に取り扱うことができる。

800万画素で撮影した画像をVGAサイズにリサイズした(リンク画像)。元データでは約2.7メガバイトある画像もリサイズして130キロバイト程度(圧縮率により異なる)になった

800万画素で撮影した画像の一部分だけを切り出した。高解像度の画像は画像自体のサイズが大きいため、撮影後の加工やプリントアウトに向いている

VGAサイズで撮影した画像(元データは約85キロバイト)の一部分だけ切り出した。低解像度の画像は撮影後の加工やプリントアウトには不向きだが、データ量が少ないためデータの移動や読み込み速度が速いなどの利点がある

画像をプリントアウトしたり「Adobe Photoshop」などの画像編集ソフトで加工したい場合は高解像度で撮影、画像をメールに添付したりやデータ転送する場合は低解像度で撮影するといった使い分けをしてみるといいだろう。

(2106bpm/K-MAX)