ScanSnap S1500MでMacFan 2007年2月号をスキャンした結果だが、かなり満足行くものとなった。

まず、スキャンが高速。A4用紙102枚は、用紙の継ぎ足しに要した約20秒を含め、Scanボタン押下から5分15秒で取り込めた。1枚あたり3秒を下回る速度で両面スキャンできた、ということになる。あとからわかったことだが、途中スキップされたページが1枚もないことから、マルチフィード検出機能も正確に作動しているようだ。

200ページ程度の雑誌ならば、5分程度でスキャンは完了する (すべて「自動」に設定した場合)

設定画面の「読み取りモード」タブで「継続読み取りを有効にします」をチェックしておくと、スキャン完了後にこのような画面が現れ、スキャンを継続 (同じPDFに継ぎ足し) できる

OCRの処理速度も、十分納得できるレベル。MacBook Pro 2.33GHz / 2GB / Mac OS X 10.5.6では、計18分5秒で文字の検出とPDFへ埋め込む作業が完了した。こちらは1枚あたり約5.3秒、スキャンに比べれば時間はかかるが、キーワード検索できる利点を考えると、この時間を惜しんではいけない。

OCR処理中に表示されるダイアログ。内容にもよるが、1ページあたり10秒前後を見ておけばいいはず

OCR処理が完了すると、処理方法を確認するダイアログが現れる

生成されたPDFの品質だが、Acrobat Readerを使いMacのディスプレイに表示したかぎりでは、目立った粗も見えず、かなや漢字も鮮明に取り込めている。300%あたりまで拡大すると、さすがにJPEG特有のノイズが気になるが、それでも読むにはまったく差し支えない。

バンドルされている「Adobe Acrobat 8 Professional」が活躍するのは、ここからだ。表紙が手前にくるよう紙をセットしてしまった筆者、スキャン終了後にページの並び順が逆ということに気付いたが、もう一度スキャン&OCRをやり直さずに済むのはありがたい。また、ページ方向が誤って検出されたページを回転させるなどの修正作業にも、役立つことだろう。

生成したPDFの詳細情報をAdobe Readerで確認したところ。PDFのバージョンは1.4、埋め込まれたフォントは「ヒラギノ 角ゴ Pro W3」だった

このように、ページ方向が誤って検出されることも

OCR処理されPDFに埋め込まれた日本語の文章だが、さすがに完璧というわけではない。いわゆる文字化けはそれなりに発生するし、縦組み部分については文章として読むことが難しいこともある。しかし、MacFan 2007年2月号に掲載されていた筆者の連載「X Scripting」に関していえば、「海上」や「ターミナル」という語句が正しく認識されていたため、キーワード検索で簡単にページへたどりつけた。文章の一語一句をテキストとして再利用したいという目的には少々厳しいが、雑誌をPDF化して目的の記事にすばやくたどりつければ満足、というユーザには納得できる製品だといえる。

MacFan 2007年2月号に掲載されていた筆者の連載「X Scripting」をスキャンしOCR処理を行ったPDF。「海上」や「ターミナル」という語句が正しく認識されていたため、キーワード検索で簡単にページへたどりつけた

さて、この勢いでMacFanの他の号を……としたところ、ふと目にとまったのが「AMIGA FORMAT」。そういえば最終号から8年も経つな、などとページを繰り始めたのが運の尽き、それから小1時間ほど回想モードに入ってしまった。雑誌のスキャンは時間がかかる作業だが、それはスキャナやOCRソフトばかりが悪いのではなく、つい思考が枝道にそれてしまうユーザにもおおいに責任があるのですぞ。

次なる獲物は「AMIGA FORMAT」(通称「アミフォ」) に決定。8年前に事実上の廃刊となった英国のAMIGA雑誌です

■仕様
製品名 ScanSnap 1500M
読み取り方式 自動給紙方式(ADF)、両面同時読み取り
読み取りモード 片面 / 両面、カラー / グレースケール / 白黒 / 自動(カラー、グレースケール、白黒の自動識別)
読み取り速度(A4縦) 自動解像度モード 両面・片面20枚/分
ノーマル カラー / グレースケール 150dpi、白黒300dpi相当 :両面・片面 20枚/分
ファイン カラー / グレースケール 200dpi、白黒400dpi相当 :両面・片面 20枚/分
スーパーファイン カラー / グレースケール 300dpi、白黒600dpi相当 :両面・片面 20枚/分
エクセレント カラー / グレースケール 600dpi、白黒1,200dpi相当 :両面・片面 5枚/分
読み取り範囲 標準モード 自動サイズ検出、A4、A5、A6、B5、B6、はがき、名刺、レター、リーガル、カスタムサイズ(最大: 216×360mm、最小: 50.8×50.8mm)
A3キャリアシート使用時 上記読取範囲(リーガル除く)に加え、A3、B4、11インチ17インチ、写真(E版、L版、LL版)
長尺読取 可(863mmまで)
原稿搭載枚数 最大50枚
インタフェース USB 1.1/2.0
付属ソフト ScanSnap Manager V3.0(Mac専用)、ScanSnap Manager V5.0(Windows専用)、名刺管理ソフト「CardMinder V1.0」、PDF編集ソフト「Adobe Acrobat 8 Professional 日本語版」(Macintosh版)
対応OS Mac OS X 10.4/10.5
サイズ/重量 W292×D159×H158mm/約3kg
直販価格 49,800円(PFUダイレクト)