米Appleは1月21日 (現地時間)、2009年度第1四半期 (2008年10月-12月)決算を発表した。経済状況の悪化が、低価格帯を除くパソコン販売を鈍化させている。Macにとって厳しい状況だが、同四半期にMacの出荷台数が250万台を突破。予測を上回る、過去最高の売上高101億7000万ドル (前年同期比6%増)を記録した。純利益は16億1000万ドル(希薄化後の1株あたり1.78ドル)で、前年同期の15億8000万ドル(同1.76ドル)から2%のアップ。

Appleは昨年9月にiTunes 8とともにiPod touchとiPod nanoの新製品を発表、10月にアルミニウムユニボディのMacBookとMacBook Proを投入して2008年のホリデーシーズンに臨んだ。

第1四半期のMacの出荷台数は252万4000台。前年同期比9%増、前期比では3%減となる。分野別では、「ポータブル」(MacBook、MacBook Air、MacBook Pro)が前年同期比34%増の179万6000台と好調だった。一方「デスクトップ」(iMac、Mac mini、Mac Pro、Xserve)は、前年同期比25%減の72万8000台にとどまった。COOのTim Cook氏はMacBookシリーズ刷新がデスクトップ製品への関心を薄れさせたと見ている。「ソフトウエア、サービスおよびその他」は、売上高6億600万ドルで前年同期比4%減だった。

iPodの出荷台数は2272万7000台で、前年同期比3%増、前期比106%増だった。iPhoneは436万3000台。iPodシリーズとiPhoneの伸びにけん引されるように「音楽関連製品/サービス」も前年同期比25%増の売上高10億1100万ドルを記録した。

第2四半期についてCFOのPeter Oppenheimer氏は、売上高76億ドル-80億ドル、希薄後1株あたり0.90ドルから1.00ドルの利益という予測を示している。

今日のミニノート/ネットブックに疑問符

決算報告発表直後に行われたカンファレンスコールでは、最初の質問で、CEOのSteve Jobs氏の治療・療養休暇について最悪のシナリオへの対応が問われた。これに対してOppenheimer氏がまず、CEOとしてJobs氏が休職中も戦略的に重要な決断に関わり続ける意向である点を確認。その上でCook氏が、エンジニアリングからマーケティング、そしてセールスに至るまで、35000人の社員すべてをイノベーションと優れた製品作りにフォーカスさせている今日のAppleのエグゼクティブチームの充実ぶりを強調した。

ミニノート/ ネットブック市場への参入に質問が及ぶと、「関心を持って市場を見ている」とCook氏が昨年10月時点と同様に回答。ただし今回は「小さくて見にくいディスプレイやがたついたキーボードではユーザーに歓迎されない」というコメントを付け加えた。Appleが手がけるならば、ミニノート/ ネットブックを再定義するような製品にするという意気込みが伝わってくるコメントだった。