08年6月WWDC基調講演でのJobs氏

米Appleは1月14日 (米国時間)、CEOのSteve Jobs氏が病気治療のために6月末まで医療休暇をとることを明らかにした。その間の業務責任はCOOのTim Cook氏が担う。

Jobs氏の健康問題が指摘され始めたのは2008年6月のWWDCだった。基調講演を行ったJobs氏の姿が明らかにやせていた。その後も同氏は公の場に姿をあらわしていたが、同問題に関する噂の流布が止まらなかったため、Macworld開幕直前の今年1月5日にホルモンのバランス異常が原因であるという診断結果を公開した。だがMacworldに姿を見せなかったこともあり、健康不安説を完全に鎮静するには至っていない。医療休暇は、そのような騒動に終止符を打つ狙いもあるようだ。14日にApple社員に送ったメッセージの中でJobs氏は、「残念ながら私個人の健康に対するせんさくが、私と家族だけではなく、Appleの全てのスタッフにも動揺をもたらし続けている。先週 (Macworld開催期間)を通じて私の健康に関する問題が、私が考えていた以上に複雑であることを痛感した」と説明している。「このスポットライトから離れて私自身は健康問題を解決し、またAppleが優れた製品の提供に専念できるように、6月末まで医療休暇をとることを決断した」という。

ただし治療・療養を最優先するものの、完全にAppleのオペレーションから離れるわけではないようだ。「CEOとして、戦略的に重要な決定には休暇中でも関わる予定だ。取締役会も、この計画を全面的にサポートしている」とつけ加えている。