2009 International CESのカシオ計算機のブースでは、現地時間7日に発表されたばかりの新デジタルカメラがお目見え。コンパクトデジカメながらハイスピードの機能を備えた製品に注目が集まっていた。

カシオブース

今回、カシオが発表したのは高速連写を特長とする「ハイスピード」ブランドの「HIGH SPEED EXILIM EX-FS10」「HIGH SPEED EXILIM EX-FC100」の2モデルと、「ダイナミックフォト」機能を搭載した「EXILIM ZOOM EX-Z400」「EXILIM ZOOM EX-Z270」「EXILIM CARD EX-S12」、そして新しいデザインの「EXILIM CARD EX-S5」の4モデルで計6機種。いずれのモデルも米国では3月に発売される。

EX-FS10は、カードサイズとなる約96.5(W)×58.4(H)×16.3(D)mm、重さ約121gで、1/2.3型有効910万画素のCMOSセンサーを搭載する。レンズは35mm判換算38~114.3mmの光学3倍ズームで、F値はF3.9~5.4。2.5型約23万画素液晶を搭載し、米国での価格は349.99ドル。

「EX-FS10」。ハイスピードモデルは、EXILIMエンジン4.0とCMOSセンサーを搭載したことでハイスピードの機能を実現している

EX-FC100は、EX-FS10よりやや厚みはあるが、99(W)×58.4(H)×22.9(D)mm、重さ156gとコンパクトサイズで、EX-FS10と同じく有効910万画素CMOSセンサーを搭載する。レンズは同37~185mmの光学5倍ズームで、F値はF3.6~F4.5。また、CMOSシフト式の手ブレ補正機能を備える。2.7型約23万画素液晶を搭載し、米国での価格は399.99ドル。

「EX-FC100」。高速連写は「30」のボタン、スローモーションビューは「SLOW」ボタンを押す

ハイスピード機能によって、最大1,000fpsのハイスピードムービーが撮影可能で、30枚/秒の高速連写にも対応する。ハイスピードを生かし、撮影時に液晶に映る映像をスローモーションで表示する「スローモーションビュー」機能を搭載。被写体の動きがゆっくりになるのでシャッターチャンスをつかみやすい。

これまでハイスピード対応機種は、一眼レフライクなボディと高機能を誇った「HIGH SPEED EXILIM EX-F1」「同EX-FH20」の2モデルだったが、今回一般的なコンパクトデジカメのサイズを実現したことで、一般ユーザーへの訴求を図っていく考えだ。

注目を集める「ダイナミックフォト」

ハイスピードタイプと並んで注目を集めていたのが、発表会でデモが行われたダイナミックフォト機能搭載モデル。これは、動く被写体を連続20コマ撮影し、その被写体をカメラ内で切り抜いて別の静止画と合成するという機能だ。これによって、任意の静止画の中でパラパラマンガのように被写体が動く画像を作成することができる。

被写体を切り抜く際には、三脚を使用して背景が動かなければカメラが被写体をおおむね正しく認識できるという。手持ちでも、背景が動かなければだいたい切り抜けるそうだ。 切り抜いた被写体は、カメラ内の任意の画像に貼り付け、大きさや位置を自由に変更できる。合成した画像は、PCに取り込んだ際は動き1つ1つを切り出した20コマの静止画となるが、同社が提供するWebサービス上で動画として保存可能。保存形式はMPEGや携帯電話向けの3GPPなど、複数の形式から選択でき、作成した動画を共有したり、携帯電話で閲覧することもできる。このWebサービスは2月頭ごろをめどに米国で開設される予定だ。

切り抜いた被写体を貼り付けた動画。フォトフレームやテレビ、PC、携帯電話などで見ることもできる。子供の夢(プロ野球選手など)をダイナミックフォトの中で実現させる、といった用途も考えているそうだ

撮影するコマ数は固定となっているが、フレームレートは20fps(1秒)、10fps(2秒)、5fps(4秒)の3種類から選択でき、例えば3秒間20コマ、5秒間20コマといった形で撮影する。秒数を長くすると長い動きを撮影できるが、動きがぎくしゃくする。逆に秒数を短くすると動きは滑らかになる。

ダイナミックフォト対応のEX-Z400は、有効画素数1,210万画素1/2.3型CCDを搭載。レンズは同28~112mmの光学4倍ズームレンズで、F値はF2.6~5.8。CCDシフト式の手ブレ補正機能も搭載する。3.0型23万画素の大型液晶を搭載し、本体サイズは約96.5(W)×7.6(H)×22.9(D)mmで、重さは130.4g。米国での価格は299.99ドル。

「EX-Z400」。高速処理が可能なEXILIMエンジン4.0を採用したことでダイナミックフォト機能に必要な処理を実現している

同じくEX-Z270は、有効画素数1,010万画素1/2.5型CCDセンサーを搭載。レンズは同28~112mmの光学4倍ズームレンズで、F値はF2.6~F5.9。CCDシフト式の手ブレ補正機能も搭載。液晶は2.7型ワイド(約11.5万画素)となり、本体サイズは約99(W)×55.9(H)×20.3(D)mm、110.6g。米国での価格は229.99ドル。

「EX-Z270」

「EX-S12」

薄型モデルのEX-S12は、有効画素数1,210万画素1/2.3型CCDを搭載。レンズは同36~108mmの光学3倍ズームレンズで、F値はF2.8~F5.3。2.7型ワイド液晶(約23万画素)を備え、本体サイズは約94(W)×55.9(H)×15.2(D)mm、110.6g。米国での価格は249.99ドルとなっている。

「EX-S5」

上記の機能に未対応のEX-S5は、新しいデザインコンセプトを採用し、96.5(W)×55.9(H)×17.8(D)mmという薄型で、100gの軽量モデル。撮像素子は1,010万画素1/2.3型CCDセンサーを搭載する。レンズは同35.5~106.5mmの光学3倍ズームレンズで、F値はF3.1~F5.6。液晶は2.7型ワイド液晶(約11.5万画素)。米国での価格は179.99ドル。なお、いずれのモデルも、無線LAN機能内蔵のSDカード「Eye-Fi」を正式サポートしている。

ブースでは、EX-F1/FH20に加えてEX-FC100が撮影できる状態で展示されており、来場者の関心を集めていた。ダイナミックフォト機能もデモが行われ、多くの来場者が集まっていた。

今回は、米国向けの発表だったが、今後日本でも発表される見込み。ハイスピード対応の2機種に加え、ダイナミックフォト対応モデルも数機種発売される予定だという。