デジカメライクに撮影できるW63CA

W63CAは、カシオ計算機のデジカメブランド「EXILIM」の名を冠した携帯電話だ。ボディデザインは折りたたみ型だが、2軸ヒンジを採用しており、液晶部分を回転させて折りたたむと、ちょうどデジカメのようなスタイルになる。この状態で本体を横にして構えれば、すぐにカメラ機能を利用できる。液晶を回転させてカメラスタイルにすると自動的にカメラが起動する仕組みだ。

W63CAのカメラレンズは、本体背面に配置される。35mm判換算28mmの広角レンズで、狭い室内や風景の広がりを写したいときに適している。レンズ、フラッシュ、そしてEXILIMのロゴが入った本体背面がこの携帯の「顔」だ。EXILIMに比べるとやや横長のボディだが、デジカメらしいデザインになっている。

正面から見るとほとんどデジカメ。レンズは28mmの広角レンズ

本体上部。一番右の大きなボタンがシャッターボタン。メニュー画面で操作するためのボタン類も並ぶ

撮像素子は有効画素数約809万画素CMOSセンサを採用しており、画像処理エンジンにはEXILIMエンジン for Mobileを搭載する。この画像処理エンジンは、本家EXILIMで採用している画像処理技術を携帯向けにカスタマイズしたもので、EXILIM並みの画像処理が期待できる。

電話機を横に構えると、本体上にシャッターボタンが来るので、一般的なデジカメと同様に「ボタン半押し」→「AFが動作」→「全押しで撮影」という流れで撮影できる。AFは「フェイスフォーカス(顔検出AF)」機能を備え、画面内の人の顔にピントと露出を合わせてくれる。自動追尾機能も搭載しており、一度検出した顔が移動してもピントと露出を合わせ続けてくれる。

シャッターボタン左のボタンを押すとメニュー画面が表示され、左右キーで項目を選択する。アイコンサイズは大きく、将来的にタッチパネルになると便利そう。EXILIM定番のベストショット(シーンモード)は、人物や風景、夜景、トワイライト、料理などが豊富にそろっている

AFモードは3種類。人物撮影が多い場合はフェイスフォーカス(顔検出)、風景が多い場合は9点AFを選ぶといい

フェイスフォーカス機能は、「速度優先」「人数優先」の2つの設定が可能。速度優先だと最大3人まで、人数優先だと最大9人までの顔を検出できる。基本的には速度を優先し、集合写真などでは人数優先にするといいだろう。なお、顔検出AFで顔が検出されない場合は、中央1点AFとなる。画面中央の9点でAFを行う9点AFもサポートする。

レンズは光学ズームを搭載しない代わりに、オートリサイズ機能を搭載。画面中央部を切り出して擬似的にズームを行うことで、画素数は減るものの画質劣化せずに拡大して撮影できる。ズームボタンを押すたびに自動的に画素数が減り、手動で設定する必要がないので手軽に使える。ただ、ズームスピードがかなりゆっくりなのは、ちょっとストレスを感じる。

画質調整はメニューのさらに奥。頻繁に設定するには階層が深いのが残念だ。撮影時、オートリサイズにすると左右ボタンでズームになるが、オートリサイズ機能をオフにしたら左右ボタンで露出補正ができるなど、素早い設定変更ができると良かった

手ぶれ補正は電子式なので、それほど強力ではないが、ないよりは安心ができそう

加えて、手ぶれ補正機能も搭載する。横・縦・前後・回転それぞれのブレを補正する6軸方向の手ブレ補正に対応する。手ぶれ補正は電子式だ。

なお、高感度撮影にも対応しており、最高ISO 1600の高感度で撮影できる。ISO感度が高くなるとよりシャッタースピードが速く撮影できるので、手ぶれ・被写体ぶれを抑えることができる。その代わり、ノイズが増え、画質は劣化してしまう。

液晶を開いて縦持ちにすると、十字キーとテンキーを使えるので操作は楽