さらに仕事の内容や、12年間にわたってG-SHOCKを使い続けてきた理由についても詳しく教えてくれた。

「一隻の船をつくるのに、規模にもよりますが6ヶ月から8ヶ月かかります。塗装セクションの仕事は、スタート時から終盤までずっと続きます。今いるところは中堅の造船所ですが、塗装だけで200人くらいが働いています。その中で、俺は中途半端に普通の作業着のまま現場を動いているから、手にペンキがついたりもするんです。で、手につくから時計にもついちゃうんですね。

一度、何かの拍子で力を入れたときにパーツが曲がったらしくて、G-SHOCKのベルトのピンが外れたことがあって。G-SHOCKを15mくらいの高さの足場から落としちゃったことがあったんですけど無事だったんです。コンクリートの上に落としたので傷はついたけど、『強いんだな、G-SHOCKはやっぱり』って実感しました。

今まで12年間で2回電池を替えているんだけど、壊れるまで使ってやろうって思います。時計を知っている人だと、こんな高い時計をよく仕事で使うなって言われますね。時計屋さんで電池を替えたときも、年配の店員さんと1時間くらい語っちゃいましたから。彼の『いい時計持ってるねぇ』って一言が呼び水になって」。

G-SHOCKユーザーの悩み

それにしても藤枝さんが、プライベートのみならず仕事にも生かしながら12年間使い続けて現役バリバリのG-SHOCK。タフネスぶりを実証するエピソードである。今のところ、壊れる気配すらないというが、「壊れないから使っているってだけで、長持ちさせようっていう使い方は絶対してないですね。例えば100円ライターを、ガスがなくなるまで使っちゃう感覚ですね。

実際、よく見るとガラスはけっこう傷ついてるんです。割れたっておかしくないような落とし方を何回もしているし。塗装の対象が船だから、資材は全部鉄でしょ。そこにG-SHOCKをよくぶつけていたりもするし。でも壊れない。だからG-SHOCKユーザーの悩みって、みんなベルトがないとかそういうのだけなんじゃないかな。壊れたってことじゃないんですよね」。……つづきを読む