高水準な基本機能と豊富な拡張性を両立

それでは、G-Master BLADEの内部をちょっとだけ覗いてみよう。メーカー製パソコンであれば、ほとんどのユーザーにとっては、普通は内部に手を入れるようなシチュエーションはそうあるものではない。しかし、ことG-Master BLADEにとっては、高い拡張性や作業性を示す部分であり、高水準の基本性能を裏付ける部分でもあるため、内部の"造り"は最初にチェックしたいポイントなのだ。

「G-Master BLADE」の内部の"造り"をチェック

というわけで、さっそく本体のサイドカバーを外してみる。内部であっても基本的にはツールレスで作業できるようになっているため、サイドカバーも手回しネジを2本外すだけで簡単にオープンすることができる。サイドカバーに貼られたゴムのような素材のシートがまず目に入るが、これは騒音・衝撃吸収素材のシート。反対側のサイドカバーにも同様にこれが貼られ、静音性の向上に一役買っている。

サイドパネルの着脱は手回しネジを外し、レールに沿ってスライドさせるだけ

パネル裏側には騒音・衝撃吸収素材のシートが貼られていた

加えて、G-Master BLADEでは、比較的騒音の小さな低速回転でも大風量が確保できる大型ファンを多数搭載している。例えば、騒音値は2倍だが風量も2倍の冷却ファン(A)と、その半分の騒音値だが風量も半分という冷却ファン(B)があったとする。冷却ファン(B)を2基積めれば、風量は2倍で冷却ファン(A)と同等になるが、一方の騒音値は2倍にはならない理屈なので、これはとても有効なアプローチだろう。

冷却ファンの搭載数はかなり多い。まずは左側面のCPU上空あたりに1基。必要ならさらに1基追加できる

その反対側。右側面の、ちょうどCPU用ヒートシンクを固定するバックプレートのあたりには吸気穴

フロントは全面メッシュ仕様。ちょっと見え難いが裏側に12cmファンを内蔵

底面は2カ所に吸排気の穴があり、ひとつは電源ファン用、もうひとつはツールレスのファン増設スペースだ。ここには12cmファンを搭載できる

そしてメイン排気となる背面。電源を下に持ってきたことで、より熱がたまりやすい上部に12cmファンを配置できている

ついでに背面で、ちょっと嬉しいポイント。ゴムカバーで覆われた穴が2カ所あり、ケーブルの外部への引き回しが必要になった際に便利

こちらもついでに。ケーブル類はすべてキレイにまとめられいる。見た目がスッキリする以上に、エアフローを妨げないというメリットがある

天板部分もメッシュ仕様。12cmファンを2基搭載するなど熱だまり対策は万全だ

そういった冷却ファンの構成など、効率の良いエアフローを実現する冷却機構で内部温度の上昇を抑える工夫がされているとともに、先ほどの吸音シートの採用などで動作ノイズをさらに低減しているのだ。Core i7はそれなりに高TDPなハイエンドCPUではあるのだが、G-Master BLADEの動作音には非常に静か。主観ではあるが、動作時、デスクサイドなどに置いても不快感が無い程度の静音性である。

さらに天板部分について。全面メッシュに見えるが、実は穴は冷却ファンの設置された部分だけ。かつ、その冷却ファンの部分もメッシュ天板の下にガードがある。「メッシュじゃ上に物がおけないじゃないか!」というアナタにも安心なのだ

拡張やアップグレードというと、真っ先に考えられるのはハードディスクや光学ドライブの追加/換装だろうか。こちらも基本的にはツールレスで完了できる。特にハードディスクについては、搭載用ゲージが横向きで、装着も専用のマウントパーツを取り付けて挿し込むだけと、非常に手間要らず。ついでにグラフィックスカードなど拡張カード類を固定するスロットも、ネジではなくワンタッチの"ツメ"を利用するタイプとなっている。内部スペースも余裕のある広さなので、作業そのものは初心者でも問題ないほど容易にできることだろう。

HDDゲージは増設に便利な"横向き"。さらにツールレスでHDDを搭載できる専用マウントパーツも装備する

5インチベイの増設もワンタッチでなんとかなる。が、ここはネジで固定した方がしっかり固定できるので、長く使うならネジを

拡張カードは"ツメ"で固定するタイプ。といった感じで、面倒な工具の用意などなくても、とりあえずは一通り問題なく作業できるよう工夫されているのだ