ところで、いわゆるポータブルナビの場合は、車と接続されるのは、シガーソケットを利用した電源ケーブルに限定されてしまうため、残念ながら車から車速などの情報を得ることができない。そのため、ナビ本体に搭載されたセンサーのみに頼らざるを得ない状況だ。

しかし、ソニー nav-u(NV-U3V)は、測位システムとして、GPS衛生の電波を受信するGPSレシーバーだけでなく、自律位置補正機能をもサポートする「POSITION plus G」を搭載しており、その弱点を補って余りあるほどの正確な位置情報を提供してくれる。

「POSITION plus G」では、ジャイロセンサー、気圧センサー、加速度センサーをポータブルなUV-U3V本体内部に搭載し、それぞれのセンサーにより、右折左折による進行方向の変化、上下方向(標高)変化、進行方向の加速度変化を検出して、統合的に算出することで、より精度の高い位置特定を可能としている。ちなみに、今回の記事執筆にあたり、ドライブに出かける際に実際に何度か利用したが、走行場所とNV-U3Vでの表示場所が大きく食い違うことはなかった。

ナビゲーションばかりではないNV-U3V

標準で内蔵されている地図情報やガイドブック(ゴルフ場マップやグルメ情報マップ)だけではなく、ユーザーによるクチコミ情報や、様々なジャンルのスポット情報を集約した地図情報サイト「PetaMap」を利用することもできる。例えば、目的地周辺のレストランや無線LANスポットなどを、メモリースティックデュオ経由で、NV-U3Vに取り込むことができる。もちろん、自分で調べた情報も大丈夫だ。

また、ワンセグチューナーも内蔵しているおかげで、待ち合わせ前の空き時間の暇つぶしも大丈夫だ。外部メディアのメモリースティックデュオに、JPEGの画像ファイルや音楽ファイル(MP3)、ビデオファイル(MPEG-4)を格納しておけば、気楽に写真や音楽にビデオも楽しむことができる。

ちなみに、本体のみでのワンセグ視聴も可能だが、クレードルには外部ワンセグアンテナ(VCA-121)を装着する端子も用意されており、受信状態を安定させることも可能だ。外部ワンセグアンテナの他にも、外部GPSアンテナ(VCA-42)やVICSビーコンユニット(NVA-VB7)など拡張アクセサリーが用意されている。

「アプリケーション」メニュー。音楽・ビデオ・写真・ワンセグ・ガイドブックが用意されている

ガイドブックを選択する「ブックセレクト」メニュー。標準で多数のガイドブック情報が搭載されている

外部ワンセグアンテナ(VCA-121)のケーブル部分とフィルムアンテナ

外部GPSアンテナ(VCA-42)。熱反射ガラスを利用した車種などで、車内でGPS衛星の電波を拾いにくい場合、この外部GPSアンテナをルーフに置くなどするといいかもしれない

VICSビーコンユニット(NVA-VB7)。VICS情報(道路交通情報)を受信する外部ユニット

VICSビーコンユニット(NVA-VB7)をクレードルに装着することで、ビーコンの受信が可能。画面は受信した図形情報

ところで、渋滞情報の受信などで活躍するVICSビーコンユニットだが、NV-U3V本体に直接接続することはできない。車載用クレードルに接続端子が用意されており、こちらに接続する必要があり、NV-U3V単体での利用はできない。

確かに車載時の安全を考慮すると、クレードルで確実に固定された状態での利用が理想だろうし、VICS情報の確実な受信にはビーコンユニットの設置場所も限られてしまう。しかし、助手席の同乗者に道案内を頼むこともあるだろう。そのような時は、ダッシュボード上への固定ではなく、同乗者の手元で操作したいシーンも多々あるはずだ。NV-U3Vを利用している際、唯一気になったところだ。

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