Apple Store, Ginzaで7日、メディアアーティスト岩井俊雄氏とヤマハが開発した新世代インタフェース「TENORI-ON」を使った、アーティスト「d.v.d」のSpecial Liveが開催された。

会場でまず行われたのは、TENORI-ONを開発したヤマハ イノベーティブテクノロジー開発部 サウンドテクノロジー開発センター 西堀佑氏によるデモンストレーション。TENORI-ONは、16×16個のLEDボタンを使って、音楽の知識がなくても直感的に演奏できることを紹介。レイヤーとブロックで構成され、異なる音を重ねてリズムボックスとして自動演奏しながら、自分で音を重ねて演奏できる。そのため気軽に始められる音楽ツールとして人気で、最近まで予約しないと買えなかったという。

メディアアーティスト岩井俊雄氏とヤマハが開発した、新世代インタフェース「TENORI-ON」

ヤマハ イノベーティブテクノロジー開発部 サウンドテクノロジー開発センター 西堀佑氏

バッテリとしては本体左右に各3本、計6本の単三乾電池を使用。上部にスピーカーとCLEARボタン、前面左右サイドに各5つのファンクションボタンがある。また、前面下部にジョグダイヤル、液晶ディスプレイ、OKボタン、CANCELボタンを備える。MIDI端子付きのため、パソコンと接続したり、ほかのTENORI-ONと接続したりできる。ヘッドホン端子からヘッドホンだけでなくステレオコンポやミキサーなどに接続可能だ。前面LEDボタンは基本的に上が高い音、下が低い音。短く押したり長押ししたりすることで音のセットや演奏ができる。このように設定した複数の音を同時に重ね合わせて鳴らすことで複雑な演奏となるのだ。

西堀氏は、大きなスクリーンにLEDを表示させて、実際に演奏を行いながら各機能を説明していった。会場後方には3台の「TENORI-ON」を設置。つめかけた150人以上の観客の多くがTENORI-ONを実際に体感した。

このように「TENORI-ON」はLEDを押しながら演奏できる

会場後方に設置された「TENORI-ON」。多くの人が実際に手にとってその面白さを堪能していた

会場には「D.V.D」のライブを見ようと150人以上が集まった

続いてアーティスト「d.v.d」による、TENORI-ONを使ったパフォーマンスが繰り広げられた。「d.v.d」は、個性派ドラムデュオItoken + Jimanicaによるオーガニック&メカニックな音楽と、映像作家山口崇司による幾何ポップな映像との新型トリオ。楽器と映像が同期。2台のドラムが流れる映像を操作する新しい形のライブパフォーマンスとなっている。そこで、使われたのがTENORI-ON。ドラムとTENORI-ONのコラボレーションにより、不思議な感覚の音楽がステージ全体に広がっていた。「d.v.d」は通常のライブでもよくTENORI-ONを使うとのこと。21日、LAFORET MUSEUM 原宿(東京都)で今年ラストのライブを行うので、TENORI-ONを使った演奏を楽しみたい人はぜひ。

ドラム2台と「TENORI-ON」とのコラボレーション。後ろの映像もコラボレートしている

「TENORI-ON」背面の液晶も美しいパフォーマンスを繰り広げている