米MicrosoftでWindows&Windows Live Engineering部門シニアバイスプレジデントのSteven Sinofsky氏。PDCの基調講演でWindows 7のデモを行っていた人物だ |
5日の基調講演後半では、PDCでのWindows 7のデモでも登場した米MicrosoftでWindows&Windows Live Engineering部門シニアバイスプレジデントのSteven Sinofsky氏が登壇し、Windows 7の新機能としてPDCではフィーチャーされていなかった「Device Stage」の紹介を行った。
Device Stageについては「【レポート】WinHEC 2008 - WinHEC 2008はWindows 7一色の予感 -各メーカーの対応は非常にスムーズ」でも紹介しているが、Windows 7にデバイス固有の情報画面をベンダーがカスタマイズして表示させることが可能な機能だ。ヘルプや関連ツールのランチャー、関連リンクなどをひとまとめにでき、しかもそれがOSで統一された状態で管理されるため一覧性が高い。ユーザーにとっての最大のメリットは、デバイスのインストールでいちいちアプリケーションアイコンがデスクトップ上に出現しなくなり、うっとおしさがなくなる点だろう。ベンダー側にとっても、追加でインストールするツールが「ユーザーにとって邪魔なモノ」という認識が減り、正規のメニューから呼び出せることで、実際に使ってもらえる機会につながる可能性がある。
Sinofsky氏は「Windows 7には3つの点からユーザーに訴求するポイントがある。1つがパフォーマンスで、2つめがUI、そして3つめがデバイスにおけるエクスペリエンスだ」と説明する。デバイス接続とその利用の容易さが訴求ポイントだというのだ。例えば、デバイス一覧を表示する画面が一新されている。コントロールパネルを開くと、従来のプリンタなどに加えデバイス一覧が表示される。デバイス一覧は「プリンタ」「外付けドライブ」といった単純な区分でアイコンが表示されるだけでなく、それぞれのデバイスが固有のアイコン表示を持つ。ユーザーはここでプロパティの確認のほか、デバイスの切断、新規デバイスの追加などを行える。一種のデバイスエクスプローラだ。認識も簡単で、必要なステップを踏めばほとんどキーボードやマウス操作なしで自動的にデバイスが追加される。この手軽さがWindows 7の売り物となる。
新しくなった接続中のデバイス画面。デバイスがユニークなアイコンで表現されている点に注目。USBメモリでさえ異なるイメージを持つ |
LogitechのWebカメラを接続すると、このデバイス表示画面からLogitech Web Camの専用ツールを呼び出せる |
筆者の見解だが、新OSを導入するメリットにサポートされるデバイスの種類が増えていることが挙げられる。何かデバイスを購入して接続しようとしても、対応デバイスが多ければ追加でドライバをインストールする作業も必要ない。さらにDevice Stageのような形でベンダー謹製のドライバやツールの導入が統一されたことで、そのハードルが下がったといえる。Device Stageでインストールされるドライバやツール群はCAB形式のファイルでまとまっており、インストール時に最新のドライバがインターネット上からダウンロードできるようになっている。これはWindows 7の導入、あるいはWindows 7のインストールされたマシンを購入するのに十分な動機になるだろう。今回はVistaのドライバがほぼそのまま流用でき、ベンダー側の対応も比較的早い印象を受けており、以前のようにハードウェアの対応で苦しむケースは少なそうだ。
また壇上ではマルチタッチ技術のデモも披露された。これについてはすでに紹介済みのデモのため詳細は割愛する。また新型UIの実験として、加速度センサーを内蔵した基盤状のツールキットが紹介された。例として示されたのは基盤を動かしてテーブルテニスゲームを行う簡単なデモだが、タッチ以外の別の可能性としてアプリケーション開発に応用されると面白いだろう。