会議の最終日、10月3日。14~19歳の学生を対象とした英国宇宙コンペの表彰が行われた。これは、英国宇宙センター(the British National Space Centre: 略称BNSC)が主催して、小型衛星を使って行う実験のアイデアを募集し、優勝チームの実験は、実際にSSTLの衛星に搭載されるという本格的なもの。決勝に6チームが残り、IACの場で優勝チームの発表がなされた。優勝したのは、電離層の変化を観測する実験を提案したシュルースベリー校。

結果発表の様子

結果発表をしたのは、今年4月に国際宇宙ステーションから帰還した韓国の女性宇宙飛行士、イ・ソヨン氏。今回、彼女にもインタビューをすることができたのだが、その際に語ってくれたことが興味深い。3万6,000人の中から選ばれた彼女は、宇宙から帰ってきて、「いままで当然だと思っていたことが、本当はすべて感謝しないといけないものだということに気づいた」という。「感謝しあう世界を創りたい」のだそうだ。

韓国の女性宇宙飛行士、イ・ソヨン氏

さて、日本の若い世代の活躍についてもちょっとだけ触れておこう。京都大学の福原始さんの論文が、学生セッションで英国惑星間協会賞を受賞。「びっくりしましたが、嬉しいです。励みになります」との感想を語っていた。

このほか、国際学生プログラムでは、日本の学生の宇宙活動を紹介。カンサットや超小型衛星などの紹介をしたり、ソーラーセイルに使う宇宙展開構造物を折り紙で作って配布していた。「100人以上の方が聞きにいらしてくださって、盛況でした」と、この会議への学生派遣を担当するJAXA宇宙教育センターの安藤恵美子氏。

受賞の喜びを語る福原始さん(京都大学・修士1年)

宇宙展開構造物折り紙を手にする山崎政彦さん(日本大学・修士2年)