トップカバーを開くと、最新モデルのはずなのに、なんだか懐かしい感じがするほど幅が広い液晶フレーム部がまず目につく。これはデザイン上の理由ではなく、詳しくは後述するが、ThinkPad X200の最大の特徴ともいえるMIMO対応ワイヤレスLAN、WiMAX、ワイヤレスUSBといった幅広いネットワーク機能をサポートするために、合計6個のアンテナをB5サイズのコンパクトな筐体に内蔵する必要があったためだ。なお、液晶フレーム上部中央にはキーボードライト「ThinkLight」、下部中央にはマイクとLEDランプが用意されている。

多数のアンテナを内蔵するため、液晶フレームは最新の機種にしてはかなり幅広だ

液晶がらみの機能としては、液晶を閉じた際にすぐにスタンバイ状態に移行せず、ユーザーが指定した時間で、スタンバイへの移行を遅延させる機能が搭載されている。これはThinkPad X300にも搭載されていた機能だが、デスクから会議室に移動するちょっとした時間などにスタンバイへ移行しないよう液晶を半開きにしたまま、片手に筐体、もう一方の手にACアダプタや書類を持つ、というあぶなっかしい持ち方をする必要がない。なんてことはない機能のようだが、実際に使ってみるとこれが快適なので、ThinkPad X200でも同機能が用意されていることを素直に喜びたい。

ThinkVantageの動作設定からスタンバイ移行の遅延時間を設定できる。なお、初期設定では遅延機能はオフになっている

キーボードはフルサイズのものが搭載されている。カーソルキーは他のキーより一段下がった独立レイアウトとなり、ファンクションキーは4キーずつグルーピングが行われているほか、ホットキーとの組み合わせで実装されることが多いPgUp、PgDn、Homeキーなども専用キーが用意されていて、デスクトップパソコン向けキーボードに近いキー配列となっている。デスクトップパソコンを併用する場合において、デスクトップパソコンからノートパソコンへの切り替え時の違和感の少なさは群を抜いて優れている。

コンパクトな筐体を最大限に使ったフルサイズキーボード。デスクトップパソコンに近いレイアウトとなっている

キータッチは、ThinkPad X300の新開発されたキーボードと比較すると、個人的にはややコストダウン感があることは事実だが、やや重めのしっかりとしたキータッチが得られ、キーのぐらつきやキーを押し下げた時のへにゃつきも感じられず、キータッチを重視するユーザーでも満足できるレベルには達していると言えるだろう。

また、このキーボードは、裏面に防水シートが貼り込まれた耐水キーボードとなっている。さらに、キーボードの下にトレイが配置され、キーボードにかかった水分が直接筐体内部に入り込まないよう工夫されている。万が一、キーボードに飲み物などをこぼしてしまった場合でも水分はまずトレイにたまり、その後、背面3カ所に設けられた排水口から排水されるという仕組みだ。

ポインティングデバイスは伝統のトラックポイント。また、かなり細かいところなのだが、ThinkPad X61では黒一色となっていたマウスボタンに赤と青のラインが復活していることも付記しておこう。

なお、ThinkPad X61では長時間使用したり、高負荷な作業を行っている最中にパームレストが過熱して不快だという声が聞かれることが多かったが、ThinkPad X200ではキーボードの左半分がほんのりと暖かくなる程度でパームレストそのものに熱がこもることはなかった。Intel Centrino 2プロセッサー・テクノロジーを採用したおかげで発熱が抑えられたせいか、筐体底面もひどく熱くなることはなく、ひざの上に乗せての作業も問題なく行える。