レノボ・ジャパンの「ThinkPad X200」は、12.1型ワイドWXGA(1,280×800ドット)液晶を搭載したワンスピンドルモバイルノートパソコン。B5モバイルノートパソコン「ThinkPad X61」の後継にあたるモデルで、液晶がワイドサイズとなり表示領域が拡大しただけでなく、Intel Centrino 2プロセッサー・テクノロジーを採用して、さらにパフォーマンスを高めたのが特徴だ。

ThinkPad X200

ThinkPad X200そのもののレビューに入る前に、ThinkPad Xシリーズのラインナップを整理しておこう。現時点では、液晶サイズが大きい順に、13.3型ワイドWXGA+(1,440×900ドット)液晶搭載の薄型・軽量ボディを特徴としたフラッグシップモデル「ThinkPad X300」、今回紹介する12.1型ワイド液晶を搭載し、SSD搭載モデルなど全16機種をラインナップしたメインストリーム向けモデル「ThinkPad X200」、12.1型XGA液晶搭載のCentrino Proノート「ThinkPad X61s」の3シリーズが用意されている。厳密には異なるセグメントの製品となるが、このほかに、タッチパッド付き12.1型SXGA+(1,400×1,050ドット)液晶搭載タブレットノート「ThinkPad X61 Tablet」もラインナップされている。

ThinkPad X61 Tabletをのぞく3シリーズは、いずれも重量やバッテリ駆動時間がほぼ横並びとなっているため、液晶サイズと予算、パフォーマンスへの要求のシビアさによって、自然と選択すべきシリーズが絞り込めるだろう。多くの場合は、最新のIntel Centrino 2プロセッサー・テクノロジーを採用し、20万円台前半を中心とした値頃な価格帯のThinkPad X200が一番最初に選択肢にあがり、予算に余裕がある場合や光学ドライブ内蔵モバイルノートが必要な場合はThinkPad X300、従来通りのスクエア液晶を好む場合は前世代のIntel Centrino Proプロセッサー・テクノロジーを採用したThinkPad X61sという住み分けになっていると言える。

さて、まずは、ThinkPad X200のデザインから見ていこう。ThinkPadシリーズのアイデンティティとも言えるフラットでシンプルなつや消しブラックのトップカバーの右下には、おなじみのIBMロゴに変わってThinkPadロゴが配置され、さらに左下にはエンボス加工されたlenovoロゴが入れられている。ThinkPad X300で採用されているマグネシウム合金製フレーム「ThinkPad Roll Cage」と「LCD Cage」の組み合わせは残念ながら搭載されていないが、トップカバーとボトムカバーにはマグネシウム合金が使われたほか、ThinkPad X61でも採用されていた、マザーボードの中心を密着固定させないことで持ち運びの際の振動やねじれによる基板へのストレスを緩和する「Hoverデザイン」をさらに改良したものが採用されている。また、頻繁に見られる故障原因のひとつとされていたヒンジ部の破壊を避けるため、数千回の開閉でも耐えられるよう設計されたメタルヒンジが採用されている。

ロゴが変更されてより落ち着いたイメージとなった。なお、メタルヒンジには塗装は施されていない

なお、本体を閉じた状態で横から見てみると完全にフラットではなく、ヒンジ部が厚く、パームレスト側に向かうにつれて徐々に薄くなっていくというくさび形になっていることに気付くだろう。スペック上では厚みが20.7~32.6mmとかなり傾斜がきついように思われるかもしれないが、実際のところはフラットに近い、かなりゆるやかな傾斜となっているため、かばんへの出し入れもスムーズに行える。

本体前面右側には、液晶パネル開閉ラッチとメモリカードスロットが用意されている

本体左側面。左からUSB 2.0、VGAビデオ出力、LAN、USB 2.0、無線LAN ON/OFFスイッチ、ExpressCard/54スロット

本体右側面。左からUSB 2.0、ヘッドホン出力、マイク入力、モデムコネクタ

4セルバッテリ装着時は底面がでっぱることなく完全にフラットな状態だ