SONAR V-STUDIO 700はSONAR 8 PRODUCERにローランドが専用機として新開発したオーディオインタフェース「VS-700R V-STUDIO I/O」および専用設計のコントローラ「VS-700C V-STUDIO CONSOLE」などを組み合わせたパッケージ。音楽制作に必要なソフトウェア/ハードウェア音源やオーディオインタフェース、エフェクタ、ミキシングコンソールなどが1パッケージに集約されている。なおSONAR V-STUDIO 700には単体のSONAR 8 PRODUCERに収録されているソフトシンセに加え、ウェーブテーブルシンセ「RAPTURE」も追加収録される。

最高24bit/192kHz対応、USB2.0接続の専用オーディオインタフェース「VS-700R V-STUDIO I/O」。最大2台を同時に使用することも出来、その場合はWordClockで同期する

100mmモーターフェーダやロータリーエンコーダ、ボタン類を豊富に装備し、SONAR 8を高精度にコントロールできる専用のコントローラ「VS-700C V-STUDIO CONSOLE」

VS-700R V-STUDIO I/Oは最大24bit/192kHzに対応するUSB2.0接続のオーディオインタフェース。ファンタム電源対応XLR端子8系統やADAT、AES/EBUなど18in/24outと豊富な入出力端子を装備。マイクプリアンプには同社の業務用ミキサ「V-Mixer M-400」に搭載している高品位なものを採用。8系統のアナログ入力部にはデジタルコンプレッサを搭載している。また2台を同時に使用し、最大37in/48outに拡張することも可能となっている。 さらに、同社のシンセサイザ「Fantom」シリーズのサウンドを収録したハードウェア音源ボード「Fantom VS」を搭載。パソコンのCPUに負荷を掛けることなく、最大16パート128ボイスで1400種類以上の音色を音楽制作に活用できる。このFantom VS専用のエディタソフトはSONAR 8 PRODUCERに統合されており、複数のソフトを使い分けることなくシームレス操作を実現している。そしてVS-700R V-STUDIO I/Oには同社のエクスパンションボードARXシリーズに対応し、拡張スロットも1基装備されている。

VS-700R V-STUDIO I/Oのリアパネル、8系統のファンタム電源対応アナログ入力を始めとして18in/24outの豊富な入出力を備える(左)。上面には同社の拡張音源エキスパンションボードARXシリーズを装着できる拡張スロットを1基搭載(中央)。同社Fantomシリーズのサウンドをハードウェアで使える音源ボード「Fantom VS」を内蔵(右)

VS-700C V-STUDIO CONSOLEはSONAR 8専用に開発されたコントロール・サーフェース機能で高精度なコントロールを実現。専用端子でVS-700R V-STUDIO I/Oと接続する。タッチセンスつきの100mmモーターフェーダ9本、8つのロータリーエンコーダとLCDディスプレイを搭載したチャンネル・ストリップ・コントローラ、ジョグ/シャトルホイールも装備したトランスポート・コントロール、サラウンド機能も制御できるジョイスティックなどを搭載。レコーディングやミキシング、マスタリングに使用できるほか、同社の映像機器「DV-7」シリーズのコントロール機能も搭載。また同社が提唱しているV-LINK対応機器との連携もサポートしている。

LCDディスプレイも搭載、パソコン画面を見ずにEQコントロールなどを快適に行える

ジョグ/シャトルダイアルやジョイスティック、映像との連携やウィンドウの透過コントロールに使えるTバーなどを搭載

VS-700C V-STUDIO CONSOLEのリアパネル。システムとしてはパソコンとVS-700R I/OをUSBケーブルで、そしてVS-700R V-STUDIO I/OとVS-700C V-STUDIO CONSOLEを専用ケーブルで接続する。VS-700C V-STUDIO CONSOLEのUSB端子は、同社の映像機器「DV-7DL」などと接続するためのもの

SONAR V-STUDIO 700は2009年1月下旬発売予定で価格はオープン、実売予想価格は40万円台中盤。サイズおよび重量はVS-700C V-STUDIO CONSOLEが730mm(W)× 430.9(D)mm×126.5(H)mm、10.2kg、VS-700R V-STUDIO I/Oが433.9(W)mm×348.4(D)mm×87.3(H)mm、5.4kg。 なおSONAR 8ユーザー向けにVS-700C V-STUDIO CONSOLEとVS-700R V-STUDIO I/Oのハードウェアセット、SONAR V-STUDIO 700の拡張用としてVS-700R V-STUDIO I/Oの単品販売も予定されているようだ。