ローランドは米CakewalkのDAWソフト「SONAR 8」、およびSONAR 8と専用機として新開発されたハードウェアを組み合わせた音楽制作システム「SONAR V-STUDIO 700」を発表した。
「SONAR」シリーズはWindowsネイティブソフトとして進化してきたDAWソフト。最新版となるSONAR 8は最高24bit/192kHz対応、64bit倍精度浮動小数点処理による高音質、トラック/バス数が無制限となるユニバーサル・バス・アーキテクチャといった基本はそのまま受け継ぎ、数多くの新機能を搭載している。
SONAR 8はプログラムの最適化によりパフォーマンスが大幅に向上。画面表示や起動時間が高速化されたほか、大規模プロジェクトにおいても低レイテンシを実現したという。トラック・ビューではトラックの種別を気にせずソフトシンセが使用できる新たなインタフェースであるシンプル・インストゥルメント・トラックを搭載。また新たにソフトシンセの演奏をそのままオーディオデータとしてリアルタイムレコーディングすることが可能となった。録音機能では再生中に録音待機状態のオン/オフを切り替えてパンチイン録音が可能なオン・ザ・フライ・レコーディング機能も新搭載されている。オーディオ/MIDIのループ素材を管理するためのループ・エクスプローラも新デザインとなり、ユーザーインタフェースが刷新されている。
同シリーズは通常版といえる「SONAR 8 STUDIO」と、同梱ソフトシンセやエフェクトプラグインが充実している上位版「SONAR 8 PRODUCER」が用意されている。SONAR 8 PRODUCERには新たなソフトシンセとして、16パッドにREXファイルやAcitized WAVファイルをアサインできる「Beatscape」や、ソフトウェアサンプラーの「D-Pro」およびその拡張ライブラリ、ピアノ音源の「True Pianos Amber」を追加。またプラグインエフェクトはコンプレッサ/リミッタの名機と呼ばれる「Teletronix LA-2A」の真空管回路をモデリングした「TL-64 Tube Leveler」やギターアンプシミュレータ「Native Instruments Guiter Rig 3 LE」、「TS-64 Transient Shaper」がSONAR 8 PRODUCERに、両バージョン共通でオーディオのパンやワイズ、ディレイ、移送を左右独立してコントロール可能な「Channel Tools」が追加されている。
SONAR 8は12月下旬発売予定。価格はオープンで、実売予想価格はSONAR 8 PRODUCERが8万5,000円前後、SONAR 8 STUDIOが5万円前後。動作環境はWindows Vista/XP、ドライバはASIO/WDM/MMEドライバ、プラグインフォーマットはソフトシンセがDXi/VSTi、エフェクトがDirectX/VSTに対応し、複数のソフトを仮想的に接続するReWireにも対応している。