少ないボタンとわかりやすい「操作パネル」

EX-FH20のボディはとてもコンパクトだが、しっかりしたグリップを備えている。グリップの中に単3形電池が入るためもあるのだろう。右手の収まりはとてもいい。ただ、両手でちゃんとホールドしようとすると、指が重なってしまう。超望遠カメラなので片手で持つような横着はせず、左手の指を折り畳むなど、両手の居場所を見つけたいところ。レンズ部はリング状になっていてつい回しそうになるが、これは固定されている。

操作系はシンプル。モードダイヤルで「高速連写」や「一枚撮影」といった撮影モードを選び、シャッターボタンを押せばそれぞれの撮影がスタートする。EX-F1のように静止画と動画のボタンを別に用意するのもすぐに撮影が始められるという点ではいいが、わかりやすさとの面ではEX-FH20も悪くない。背面には、上部に撮影・再生ボタンが置かれ、右側にはボタンが3つ(DISP、MENU、BS)と十字キー(コントロールボタン)。見落としがちだが、レンズ脇にマクロボタンとAELボタンがある。

「MENU」ボタンで通常のメニューが起動するが、使用頻度の高い機能は十字キーの上下で開く「操作パネル」にまとめられている。撮影モードによって内容が少し異なり、一枚撮影ではストロボ使用の有無、高速連写では連写速度(fps)といったように、それぞれに応じた設定が現れる。これは使いやすくていい。

通常メニューは「撮影設定」「画質設定」「設定」の3グループに分かれているが、上まで戻らないと隣に移動できない。また、ひとつを設定して「SET」ボタンを押すとメニューが閉じてしまう。いくつも設定したいときは、またメニューを開かないといけない。といっても、メニューは常に使うわけではないのでそれほど気にならないだろう。

背面の主な操作系

上面の主な操作系

上面のモードダイヤルを切り換えると、モニターにどのモードが選択されたか表示される

通常画面(高速連写)。右側に撮影情報が表示される

十字キーの上下を押すと、右側が操作パネルに切り替わる。これは露出モード

同じく撮影サイズの設定。サイズはモードによって異なる。これは一枚撮影モード

撮像感度の設定。最高でISO 1600。オートはISO 100-400の間で変化する

露出補正も操作パネルに含まれる

AFポイントは、中央固定(スポット)、任意(フリー)、自動追尾の3種類

シーンに合わせて撮影方法や色が設定される「ベストショット」。専用ボタンのほか、露出モードからも開く

ベストショットのメニューは、説明付きの詳細モードも用意されている

EVFよりもモニター中心のほうが使いやすい

撮影と再生はファインダー脇にあるボタンで切り換えるのだが、一眼レフを使っている身としては、シャッターボタン半押しで撮影モードに戻ってくれないのが気になった。やはり、基本は撮影モードであり、再生は確認時のみの特殊な状態としたほうが使いやすいと思う。

モニターは3.0型の大型で細部まで確認しやすい。さすがに晴天下では反射して見づらくなるが、これは仕方がないところ。覆うなどして工夫して使いたい。対して、EVF(ビューファインダー)は見やすいとはいえない。また、撮影時はEVF、確認時は液晶モニターというように使いたい場合は、メニューの「LCD優先表示」をオンにすればいいのだが、これは再生ボタンでの表示のみモニターを使い、撮影直後に画像を確認する「撮影レビュー」はモニターに表示されない。撮影から確認まで、見やすい液晶モニターを中心に使うのがよさそうだ。

HD(ハイビジョン)ムービーは1280×720ピクセル、STD(スタンダード)は640×480ピクセル

連写に合わせてフラッシュを発光させるフラッシュ連写は、最高で5コマ/秒

「MENU」ボタンから開く通常メニューの「撮影設定」。セルフタイマーなどが含まれる

「画質設定」のメニュー。ダイナミックレンジ機能も含まれている

カメラの基本的な状態を設定する「設定」メニュー

再生状態で「MENU」ボタンを押すと「再生機能」メニューが現れる

一枚撮影の再生画面。これはヒストグラムなどの情報を表示しているところ

再生で画像を拡大した状態。最大で8倍まで拡大できる

サムネイル表示。最大で25コマを同時表示する