マルチフォトカラリオのFAX付きフラッグシップモデル「EP-901F」

セイコーエプソンは19日、カラリオ・プリンターの新機種として、マルチフォトカラリオ「EP-901F」「EP-901A」「EP-801A」「PM-A840S」「PX-501A」の5機種、シングル機「EP-301」の1機種、モノクロ高速モデル「PX-201」「PX-101」を10月8日に発売することを発表した。

各機種の店頭想定価格は「EP-901F」が4万円台半ば、「EP-901A」が4万円前後、「EP-801A」が3万円前後、「PM-A840S」が2万円台半ば、「PX-501A」が1万円台後半、「EP-301」が1万円台半ば、「PX-201」が1万円台半ば、「PX-101」が1万円前後。

発表会では、セイコーエプソン 情報機器事業本部 事業本部長の羽片忠明氏が新ブランドについて説明した。セイコーエプソンでは、カラリオが「写真を美しく彩るプリンター」から「暮らしをカラフルに彩るパートナー」へと進化させることで、ユーザーの生活がプリンターで豊かになることを新ブランドビジョンで表現。「i(わたし)」を中心に、安心、快適、キレイ、スタイリッシュ、環境、未来を配置。安心は、わずらわしさを感じることなく使いこなせる安心感。快適は、使いやすさを徹底追及した快適性。キレイは、写真をもっとキレイに、もっと長持ちさせる。スタイリッシュは、暮らしに調和し、スタイリッシュなライフスタイルを。環境は地球を友に、環境負荷を低減。未来はプリントで一歩先ゆく心豊かな暮らしを提供。この新ブランドにあわせた新製品を登場させたとした。

新製品の概要を説明するセイコーエプソン 情報機器事業本部 事業本部長の羽片忠明氏

新ブランドでは、中央の「i(わたし)」を中心に、カラフルな色が周りを取り囲んでいることで、暮らしを彩ることを表現している

続いて、セイコーエプソン コンシューマ機器事業部 事業部長 遠藤鋼一氏が新製品を紹介した。

まずは、プリンター市場について説明。日本、西欧、北米の成熟市場では、プリンターの販売台数が横ばいか減少気味。一方、アジア、東欧・ロシア、南米の成長国市場では、5%程度の成長を見せている。国内をカテゴリー別に分析すると、複合機の伸びが著しく、単機能プリンターは減少傾向。この状況に合わせた商品戦略を展開するとした。

市場動向を説明するセイコーエプソン コンシューマ機器事業部 事業部長 遠藤鋼一氏

国内のプリンター市場は、単機能プリンターの減少を複合機がカバーしている。

そのためにエプソンが目指すことは「進化」。優れた機能を持っていながらユーザーに受け入れられなかった製品があることを反省点として、ユーザー目線で、ユーザーが使用する場面を想定した高い価値とサービスを提供できる製品を開発。新ブランドに込められた「安心」「快適」「キレイ」「スタイリッシュ」「環境」「未来」を核に、生活を彩り豊かに快適にする製品にしたとした。

「自動ノズルチェック機構」により、目詰まりしたヘッドを自動的に認識し、掃除する

キーワード「安心」では、プリント品質を保つために、オフィス用プリンターで採用している「自動ノズルチェック機構」をコンシューマ機に展開。プリントヘッドの信頼性を向上させ目詰まりを低減させるだけでなく、「気泡除去システム」と併せて、手のかかるメンテナンス動作をプリンターが自動的に行う。

キーワード「快適」では、家中のどこからでも印刷できる無線LAN印刷(「EP-901F」「EP-901A」)を標準搭載。普通紙と写真紙を前面から一緒にセットできる「前面2段給紙」などを搭載している。無線LANの搭載については、前モデル「PM-T960」購入者のアンケート結果で無線LANが強い購入動機となっていることも挙げていた。離れた場所から動作状況が確認できる「LEDステイタスバー」、さまざまな機能や操作を集中させた前面集中レイアウトなどを採用し使いやすさを向上させた。

このほか、楽しめる機能として、画像の輪郭を抽出して印刷する「塗り絵機能」、背景付きの便箋などが作成できる「ノート罫線印刷機能」を搭載。「塗り絵機能」は、文字と絵が混在した画像の輪郭を抽出し文字や線を鮮やかにプリントする技術を応用して開発されている。

キーワード「キレイ」では、6色つよインク、画像補正技術など、高画質プリント技術を向上させることで実現。「覆い焼き補正技術」により、人物と風景が混在した写真でも鮮やかにプリントする。キーワード「スタイリッシュ」では、リビングに調和するデザインを採用。キーワード「環境」では、省電力化、省資源化、インクカートリッジのリサイクルなど環境に配慮したプリンターとなった。キーワード「未来」としては、地デジとつないで、放送波からの情報をプリントする「テレプリパ」などを搭載している。

新たに搭載された「塗り絵機能」。画像の輪郭だけ抽出して印刷できる

人物と風景が写っている写真でも、人物、風景とも最適な明るさでプリントする

製造、輸送、使用、破棄、リサイクルの循環を考えた商品設計をすることで温暖化負荷を削減している

速さと使いやすさにこだわったプレミアムフォトモデル「EP-901F」「EP-901A」では、薄型化とスタイリッシュを追求したリビングデザインを採用。4800dpi CISスキャナ、L判が約14秒の高速印刷、無線LAN、テレプリパなどに対応している。また、「EP-901F」はFAX付きモデルとなっている。おすすめモデル「EP-801A」は、901シリーズから無線LAN、テレプリパを削除。2400dpi CISスキャナを搭載し、よく使う機能を凝縮させた機種となっている。

お手ごろモデルとして、前モデルで人気だった「PM-A840」が進化した多機能複合機「PM-A840A」、シングルプリンタ「EP-301」、小型タイプの複合機「PX-501A」、モノクロ高速モデルとして、無線LAN対応の「PX-201」、低価格モデル「PX-101」。すでに発表済みのコンパクトでカラーバリエーションが豊かな写真専用モデル「E-530」、お手ごろ写真専用コンパクトモデル「E-330」を投入。2008年度で、複合機シェア50%以上、コンパクトプリンターシェア50%以上、インクジェットでシェア50%以上を目指す。

エプソン販売 代表取締役 平野精一氏。2008年秋商品の販売戦略を説明

最後に、エプソン販売 代表取締役社長 平野精一氏が販売戦略を説明。ブランドの提供価値、ブランドの世界観を再定義し、すべての人に新しいプリントの楽しみを提供することをブランドビジョンとした。「親しみ感」「簡単さ」「高画質」と従来のイメージに加え、「先進感」「技術感」「本格感」の向上を推進。次世代カラリオと新しく生まれ変わったカラリオブランドを訴求するために、新しいイメージキャラクターとして緒形拳さん、竹内結子さんを起用したとした。これにより、自宅で写真を印刷する「おうちプリント」を拡大させるほか、「テレプリパ」などの新たなプリント活用を提案していくとした。

新しくイメージキャラクターとなった緒形拳さん、竹内結子さん