フリースケールは9月10日、都内でFreescale Technology Forum(FTF) Japan 2008を開催した。まだオーランドのFTF2008 Americaのレポートも書き終わってないのに次が来てしまってちょっとアレなのだが、こちらのレポートをまとめたいと思う。
FTF Americaは3日半に及ぶスケジュールで、基調講演は毎日1本ずつ、延べ4時間近いセッションが用意されたが、FTF Japan 2008は1日のみのスケジュールであり、流石にこれだけの時間は割けない。とはいえ午前中がすべて基調講演に当てられており、それなりに聞き応えのあるものだった。
Rich Beyer氏のOpening Speech
Photo01:米Freescale SemiconductorのChairman of the Board兼CEOのRich Beyer氏。午後にRound tableの機会があったので、その折に「製品の把握は終わりましたか?」と聞いたところ、やっと一通り理解できたとか。現在は専属チームを使って製品の見直しを行っているとかで、あと30~60日位でまとめたいとのこと。 |
まずフリースケールジャパンの高橋社長による挨拶に次いで登壇したのは、Freescale SemiconductorのCEOであるRich Beyer氏。氏は今年3月、IntersilのCEOからFreescaleに移ってきたばかり。オーランドの時には、事実上着任2カ月といったところで、まだ社内をまとめるとか独自の方向性を示すといったタイミングではなかった事もあってか、前任のMichel Mayer氏が2007年に打ち立てた3つのテーマを引き継ぐ事が明確にされたが、FTF Japanにおいてもこの3つのテーマが引き続き示されることになった。
まず氏は10分弱を費やして「なぜ私はFreescaleに来たか」を語った。氏によればFreescaleは世界規模の半導体メーカーであり、(Motorola時代まで含めると)非常に長い歴史を誇っている。製品や営業、技術、そして膨大なIPポートフォリオを抱えており、またこれらを生かした、新しいConvergenceを生み出せるユニークな立場にあるとしている。また様々な組織と関係を維持し、Collaborationを行っている。加えてR&D投資も活発に行っており、キャッシュフローやFinancial Positionも健全である。
氏はこれまで半導体業界にずっと在籍し、様々な会社で様々なポジションにつき、様々な業界に携わってきていた。Freescaleは、そうしたキャリアがすべて生かせる理想的なポジションにある、というのが転籍の理由だとしている。
さてそのFreescaleは、
- The Net Effect
- Health & Safety
- Going Green
という3つのテーマを打ち立てている。2007年当時はこれが
- The Net Effect
- Aging Operation(Silver Lining)
- Going Green (Green Everything)
という言葉で表現されており、2つ目の項目に"Safety"が追加されたのが大きな違い。もっともAging Operationの中にSafetyも含まれていた訳で、そういう点では基本方針には全く違いが無く、ちょっとだけ違う言葉に言い換えただけ、とも言える。本当はこの基本テーマそのものの見直しも入るかも、と思ったのだが(流石にFTF Americaは就任2カ月目だから、その時点でテーマの変更は無理だろうとは思った)、すでにFreescaleの社内がこの3つのテーマに向けて動き出していることもあってか、特にテーマの見直しは必要ないと判断したようだ。