AMDは、新GPU「ATI Radeon HD 4600シリーズ」を発表した。Radeon HD 4600シリーズはRadeon HD 4800シリーズのアーキテクチャをベースとしたメインストリーム向けGPU。価格は79ドル(上位製品)から69ドル(下位製品)とされている。

Radeon HD 4600シリーズのストリームプロセッサ数は320基で、従来のRadeon HD 3600の120基から大きく増加している。ダイサイズは146平方mmで3600シリーズからは20%増であるほか、トランジスタ数は40%増の5億1400万。その演算能力は480GFLOPSとされ、多くの最新ゲームタイトルを30fps以上のフレームレートで実行できるとされる。一方、消費電力は59W程度に抑えられている。

Radeon HD 4600シリーズと3600シリーズの比較

Radeon HD 4600シリーズのアーキテクチャ

現行ゲームタイトルを30fps以上でプレイ可能

搭載するUVDはバージョン2.0であり、2系統ストリームの同時デコード、DVDアップスケーリング、ダイナミックコントラストなどの機能を利用可能だ。そして省電力機能では、ATI PowerPlayを搭載する。

デュアルストリームやDVDアップスケーリング、ダイナミックコントラストに対応したUVD2.0を搭載

PowerPlayを搭載し、クロック、電圧の両面から低負荷時の消費電力を抑制する

ラインナップは、512MBのGDDR3メモリを搭載した「Radeon HD 4670」、1GBのDDR3メモリを採用した「Radeon HD 4670」(同名)、512MBのDDR2メモリを採用した「Radeon HD 4650」がある。

Radeon HD 4670の製品スペック

Radeon HD 4650の製品スペック

Radeon HD 4670 4670 4650 3650 3650
メモリタイプ GDDR3 DDR3 DDR2 GDDR3 DDR2
メモリ容量 512MB 1GB 512MB 256MB 1GB/512MB/256MB
プロセス 55nm
ストリームプロセッサ 320 120
GPUクロック 750MHz 600MHz 725MHz
メモリクロック 1000MHz 900MHz 500MHz 800MHz 500MHz
最大消費電力 59W 48W 75W

このDDR3メモリを採用している点もRadeon HD 4600シリーズの特徴とされている。グラフィックスカードに利用されるメモリでは、現在GDDR3が主流である。しかし、AMDではパフォーマンスでDDR3メモリがGDDR3メモリに迫ってきていること、GDDR3メモリと比較しDDR3メモリの方がコストが低いことなどを挙げ、Radeon HD 4670にこのDDR3メモリを採用したとしている。メモリ接続バス幅は4800シリーズの半分となる128bit。

DDR3メモリが高クロック化しており、より低コストを実現するためにDDR3メモリを採用したという

Radeon HD 4600シリーズ製品は各社から登場する見込みだ。発表会には、Sapphire(アスク)、PowerColor(CFD販売)、玄人志向、HIS(恵安)、MSIが製品を展示していたほか、ASUSTeKやGIGABYTEも製品を投入するとして紹介されている。

会場でのデモ機。よく見ると、DL-DVI、DisplayPort、HDMIを搭載したバージョン。2系統までの出力に対応しているという

SapphireのRadeon HD 4670カード。GDDR3版で、パッケージにもそれを示すロゴが描かれている

PowerColorの製品は、GDDR3版のメモリにヒートシンクを搭載、DDR3版にはそれが無い

HISのRadeon HD 4670カードは静音性能やOCで知られる2スロットクーラー「IceQ」バージョン

玄人志向からはRadeon HD 4670と4650。CrossFireX用のエッジ端子やボード上のフェライトコアなども両者で異なる

MSIもRadeon HD 4670と4650を展示。Radeon HD 4650の「R4650-D512」はパッケージもコンパクト