──SSLサーバ証明書にはEV SSL証明書もありますが、大規模オンラインショップ以外では導入することは難しいのでしょうか

EV SSL証明書は、SSLサーバ証明書にくらべると単純な購入コストは上がるため、中小企業には導入のハードルが高いものと思われているかもしれません。しかし、実際はそうとは限りません。ワールドワイドでは、銀行や証券会社などの金融機関系でEV SSL証明書を導入するケースが多いのは確かです。ただ、日本国内では二極化が起きています。メガバンクや地方銀行が導入する一方で、オンラインショップを運営する中小企業が導入するケースが着実に増えているんです。

EV SSL証明書導入サイト例

フラワーギフトショップを展開する「イーフローラ」ではEV SSL証明書を導入(画面は注文画面の一部)。お祝いや記念にお花を贈ってみませんか?

「BIGLOBE」のWebメールサービス「ウェブリメール」もEV SSL証明書を導入済み。頻繁に使うサービスなのでこれで安心!

そうした国内事情の背景には、"会社の知名度が高まっていないからこそ、インターネット上ではサイトの運営組織の存在をしっかりと利用者にアピールしたい"という強い要望があるようです。EV SSL証明書はそうした要望に十分応えられるものだと思います。Internet Explorer(IE) 7などでグリーンバー(アドレスバー)にWebサイトの運営組織名が表示されることで、信頼性や社名をアピールできますし、いわゆるメガバンクとまったく同じセキュリティを確保していることもアピールできるわけですからね。

新しいEV SSL証明書をいち早く導入することで、セキュリティに対する積極的な姿勢を示したり、他のオンラインショップとの差別化を図ったりというように、セキュリティを大事にする会社の姿勢をアピールする意味やマーケティングの側面からでも導入するケースが増えています。

SSLサーバ証明書の安全性というと暗号化通信のイメージが強くありますが、徐々に一般ユーザーの間でも実在性証明という価値が広く認識されてきています。Webサイトの安全性を気にする消費者が増えていることで、今後は、会社の業種や規模に関係なく、"ひと目でWebサイトの実在性を確認できる"EV SSL証明書を導入することのメリットは高まってくると思います。