ベンチマーク

グラフ1とグラフ2は3DMark06のスコア結果だ。3DMark06では、GeForce GTX 280のSLI > 9800 GX2のSLI(Quad-SLI) > 9800 GX2 > GTX 280という順序となったが、これはGeForce 9800 GX2が2つのGPUを搭載していることが影響した順序だろう。意外なことにGeForce GTX 280シングルでは、GeForce 9800 GX2シングルに及ばない。ただしSLIではGeForce GTX 280が全てを上回り、実質GeForce系GPUの最上位を更新したと言えるだろう。アンチエイリアスと異方向性フィルタを有効にしても傾向は同じだ。ただ、さすがに上位GPUのSLI構成ともなってくると1920×1200ドットでもほとんどスコアが下がらない。

3DMark06のSM2.0テストおよびSM3.0/HDRテストの結果から、1920×1200ドットを抽出したのがグラフ3だ。3DMarksの構成要素となっているため当然だが、シングル比較ではGeForce GTX 280よりもGeForce 9800 GX2が上という同様の結果だ。グラフ4はFeature Testの結果。2つのVertex ShaderテストではGeForce 9800 GX2の方が良好で、Shader ParticlesテストではGeForce GTX 280の方が良好という結果だ。おそらく、GPUの構成の違いが表れているものと思われる。

3DMark Vantageでは、シングル・SLIともにGeForce GTX 280がGeForce 9800 GX2を上回る。とくにPerformanceよりもHigh、HighよりもExtremeというように、より高解像度、より高画質となるにしたがってGeForce GTX 280とGeForce 9800 GX2との差は大きくなり、GeForce GTX 280の優位性が見えてくる。3DMark VantageのFeature Testの結果がグラフ6。

ゲームテストでは、F.E.A.R.、そしてDirectX 10タイトルとしてLOST PLANET EXTREME CONDITIONとCrysisをテストした。まずはF.E.A.R.から。どうもGeForce 9800 GX2のQuad-SLI構成時に問題があったようで、この構成のみアベレージ180FPSあたりで頭打ちになっているが、それ以外は不自然ではないだろう。こうして見るとGeForce GTX 280は、解像度の増大に対するフレームレートの低下が少ない。高解像度でもより快適にゲームがプレイできるGPUだと言えよう。

グラフ8はLOST PLANET EXTREME CONDITIONのDirectX 10版でのAverage FPSとなる。1280×768ドットに比べ、1920×1200ドットでは差が詰まっているものの、基本的にはGeForce GTX 280の方が良好だ。

グラフ9はCrysis。Benchmark_GPUをHigh設定で実行した際のAverage_FPSだ。このテストに関しては明確にGeForce 9800 GX2の方が良好な結果だ。総じて60fpsあたりで頭打ちになっているようだが、シングルGPUでより高解像度な場合でもGeForce 9800 GX2の方が良いスコアである。これはちょっと理由がわからず、新GPUだけに、ドライバに問題があった可能性も残る。

最近のハイエンドGPUでは、よほど高負荷をかけない限り1920×1200ドットでも性能差が微少になってきている。例えば3DMark06では1024×768ドットから1920×1200ドットまでのスコアの低下はわずかに1000 3DMarks程度。LOST PLANET EXTREME CONDITIONもより広大な2560×1600ドットで計測できればスコアの推移がより明確になったのではと思われる。1920×1200ドットに対応したWUXGA液晶ディスプレイも普及しだしたところだが、2560×1600ドット対応のWQXGAディスプレイはまだまだ高価。これに加えてサイズ的な問題もあるわけだが、ハイエンドGPUを要するゲーマーにはWQXGAディスプレイが有効と言えるのだろう。Extreme HDという環境が加速しそうな雰囲気は感じられるようになってきた。