あの事件のあと、初めて週末を迎える秋葉原。一見、平穏を取り戻したかのようだが、巡回中の警察官を見かけることも多く、まだいつもと異なる雰囲気が続いている。日曜日の歩行者天国も当面中止となるようだ。今後、このような凄惨な事件が二度と起きないよう、心から願いたい。

さて、今週の新製品である。今週は新製品の種類自体はあまり多くなかったが、P45チップセットを搭載したマザーボードが複数種類登場していた。

なんとクワッドLANのマザーボード

GIGABYTEからは、「GA-EP45-DQ6」「GA-EP45-DS5」「GA-EP45-DS4」「GA-EP45-DS3R」「GA-EP45-DS3」の5モデルが新登場。全てP45チップセットを搭載する製品で、メモリはDDR2に対応している。価格は、DQ6が33,000円~34,000円前後、DS5が27,000円前後、DS4が22,500円前後、DS3Rが18,500円前後、DS3が17,500円前後となっていた。

GIGABYTEのP45マザーボード新製品

ハイエンドモデルの「GA-EP45-DQ6」

特に面白いのはハイエンドモデルのDQ6で、バックパネルを見ると、なんとLANポートが4つも搭載されている。LANが4つあって(しかも全部GbE)、一体どういうメリットがあるのか分かりにくいかもしれないが、これはTeaming機能をサポートしており、物理的な4回線を仮想的な1つの接続(帯域は4Gbpsとなる)とすることが可能だ。

仮想的に帯域を4倍にすることが可能

LANポートが4つ並ぶバックパネル

EPUが強化、16フェーズ電源も

ASUSからは発表のあった通り、P45チップセットを搭載する「P5Q」シリーズが発売となっている。「P5Q Deluxe」「P5Q PRO」「P5Q」の3モデルで、価格はそれぞれ22,500円~25,000円前後、18,500円前後、17,000円前後。今後、「P5Q3 Deluxe/WiFi-AP @n」や「P5Q Premium」などの豪華モデルも順次発売となる見込みだ。

最上位モデルの「P5Q Deluxe」

パッケージは鮮やかなブルー

P5Qシリーズでは、電力管理チップ「EPU(Energy Processing Unit)」の機能が強化されており、CPUに加えて、グラフィックカード、チップセット、メモリ、ドライブ類、冷却ファンの消費電力も抑えることができるようになった。電力の管理はソフトウェアで行い、細かい制御はEPUが担当。同社はこれを「EPU-6 Engine」と呼称している。

システム全体で消費電力を抑えるのが「EPU-6 Engine」

今回発売となった3モデルの中の最上位はP5Q Deluxeで、このモデルのみ、16フェーズの電源回路を搭載。オーバークロックのような高負荷時でも、安定した電力供給が可能となっている。またP5Q Deluxeには「Express Gate」用のフラッシュメモリが搭載されているが、他のモデルでこの機能を利用する場合、別途USBメモリなどを用意する必要がある(SATA HDDへのインストールも可能)。

16フェーズ電源を搭載している

ここにExpress Gateの基板を搭載

純正Atomマザーが再入荷

発売と同時に売り切れ、品不足となっているIntel純正のAtom搭載Mini-ITXマザーボード「D945GCLF」だが、一部のショップで再入荷があり、販売されていた。ただし、数量は多くても10数個程度となっており、週末での完売は必至だ。取材中にも、早速購入していく人が出ていた。

いま注目のIntel純正Atomマザー

新CPU「Atom」と945CGチップセットを搭載する製品。人気の理由となっているのは、1万円を切るという低価格にあるだろう。CPUはオンボード搭載されているので、あとはメモリ、HDD、光学ドライブ、電源などを用意すれば、安くシステムを構築できる。

ところで、以前発売となったIntel純正のMini-ITXマザーボードについては、Intelは何故か"マイクロATX"と言い張っていたが、今度のD945GCLFには普通にMini-ITXと書かれている。Intelの自信と本気度が出ているような気がする。

強力なCPUクーラーが2つ登場

冷却関連では、注目のCPUクーラー「忍者 弐」がサイズから新登場。CPUクーラー「忍者」は、コストパフォーマンスの高さで人気があったシリーズ。これまで、「プラス」「リビジョンB」とマイナーチェンジを繰り返してきたが(そのほか全銅製の限定モデルもあった)、初めてのメジャーアップデートとなった。

サイズの新製品「忍者 弐」

フィンの形状が従来とは異なる

大きさは116×116×152mmと、従来モデル(110×110×150mm)からほとんど変わっていないが、フィンの形状は大幅に変更。フィンのピッチやヒートパイプの間隔も最適化されているので、冷却効率が向上している。同社によれば、ファンレス時で5%、ファン搭載時で15%程度の性能向上が実現されているという。価格は4,280円前後。

もう1つのCPUクーラー新製品は、Thermalrightの「TRUE Black 120」。形状自体は既に発売されている「Ultra-120 eXtreme」と全く同じようだが、全体に黒いニッケルメッキが施されており、精悍な印象になっている。またそのほか、付属のグリスがより高性能なものに変更されているといった違いもある。価格は9,980円前後。

左が新製品の「TRUE Black 120」で、右が「Ultra-120 eXtreme」。形状は全く同じに見える

フィン・ヒートパイプ・ベース全てにメッキ処理。ちなみに素材は、フィンがアルミでベースが銅