安心してインターネットを利用するために

インターネットは、社会的インフラとして日常生活にかかすことはできない。しかし、一方で、有害サイトも数多く存在する。家庭でPCを利用するような場合で、有害サイトから家族や子供を守るにはどうすればよいだろうか?

図1 Net Nanny親子インターネットフィルタリング 5.0

AOSテクノロジーズが販売する「Net Nanny親子インターネットフィルタリング 5.0」(以下、Net Nannyと略記)は、有害サイトへのアクセスをブロック(フィルタリング)するものである。価格は、パッケージ版が6,090円(1ライセンス/年間)、ダウンロード版が4,872円(1ライセンス/年間)となっている。対応OSは、Windows 2000(SP4)、XP(SP2)、Vistaである。

Net Nannyの最大の特徴は、ユーザーごとに適切にフィルタリングを設定できることにある。さらに、アクセスをブロックするだけでなく、実際に訪れたサイトなどの傾向をモニタリングすることができる。まずは、子供が有害なサイトにアクセスすること防ぎ、さらには、普段の利用で有害と思われるサイトを利用していないかといったチェックが可能になる。本稿では、Net Nannyの設定方法などを紹介しながら、その利用方法を見ていく。

図2 Net Nannyのメイン画面

フィルタリングの設定

まずは、フィルタリングの設定である。Net Nannyでは、カテゴリごとに「ブロック」「警告」「許可」の3段階の設定を31項目に対して行うことができる(図3)。

図3 フィルタリング設定

[工場出荷時設定]で、危険と思われるカテゴリ8つに対しては、ブロックの設定がなされている。「ポルノ」「成人向け」といったカテゴリは、まずブロックしたいカテゴリである。

インターネットへのアクセスの方法についても[次のアクセスを許可する]で設定を行うことができる。[ピアツーピア]では、ファイル交換ソフト(GNUTella、BitTorrent、Kazaa、eMule、eDonkeyなど)の使用を制限することができる。重要なデータをPCに保存している場合などは、情報漏洩を防ぐために設定しておきたい項目だろう。同様にネットゲームのアクセスも制御可能だ。

ブロックされたカテゴリにアクセスした場合の対応は、[ダイアログの表示] / [「アクセス不可」ページ] / [Webサイト]から選択することができる。[ダイアログの表示]では、実際にブロックされたカテゴリにアクセスしようとすると図4のようになる。

図4 コンテンツのブロック

Net Nannyには、[レポート]という便利な機能が備わっている。インターネットの利用状況をレポートする機能である。指定したユーザーがどのようなWebサイトをいつ閲覧したか、ブロックされたサイトへのアクセス状況、Webの利用状況も表示される(図5、図6)。

図5 表示されたWebカテゴリとWebフィルタアクション

図6 日別のWeb時間要約

このレポートを検証することで、有害サイトなどにアクセスをしていないかをチェックすることができる。状況に応じて、フィルタリングの設定を変更するなりの処置を講ずることができるだろう。最近では、インターネットに依存してしまうような症例も報告されている。単純に言ってしまえば「やりすぎ」ということであるが、実際にどのくらいインターネットを利用しているのか? これもチェックをしたい項目の1つといえよう。あまりにも利用時間が多いようであれば、制限も必要になってくる。

Net Nannyでは、ユーザーごとにインターネットの利用時間を設定することもできる。1日ごとの総利用時間とタイムスケジュールで設定することができる。たとえば、1日の利用時間は、5時間以内。午前7時から午後10時までとするには、図7のようにする。

図7 時間管理

このように設定することで、睡眠時間を削ってまでのインターネット利用などを防ぐことができるであろう。

その他の機能

Net Nannyのその他の機能について、簡単に紹介しておこう。まずは、オーバーライド機能である。アクセスを禁止するサイトと許可するサイトのリストを独自に設定する機能である。例えば、comm.edu.com(架空のサイト)は教育・社会問題として児童ポルノなどを議論するサイトとしよう。Net Nannyは、自動的にこのサイトをブロックする。しかし、[Webオーバーライド]のリストに追加することでアクセス可能になる(図8)。

図8 リストの設定

次にメール通知である。Kidsが、ブロックしているサイトや画像データなどにアクセスをすると、そのことをメールで通知してくれるものだ(図9)。

図9 メール通知

フィルタリングを設定していても、どこかで有害サイトにアクセスしてしまうことは防ぐことはできない。そこで、日々のアクセス状況をチェックしていくことで、より安全な環境を維持することができるだろう。

「警察白書」(平成18年度版)によれば、いわゆる出会い系サイトで被害にあった18歳未満の児童の比率は、84%にも達している。今後もその傾向はより進み、被害の拡大への警告がなされている。ちょっとした興味本位から、そのような有害サイトにアクセスしてしまい、被害にあう危険性が存在しているのである。なによりも、そのような有害サイトにアクセスさせないことが重要である。