プリペイド携帯は「Card Phone」

韓国のプリペイド携帯は英語で「Card Phone(カードフォン)」と呼ばれる。ちなみに韓国語では「ソンブルフォン(前払い携帯)」と呼ばれている。ただしこのCard Phoneは、街中にある通信事業者の販売店では扱われていないことが一般的だ。

そのためCard Phoneを確実に買うならば、韓国の電気街へ行くのが一番確実である。ソウルならば「龍山(韓国語読みはヨンサン)」が有名だ。韓国高速鉄道(KTX)・龍山駅上の「龍山電子商街」8階が携帯電話コーナーになっており多数の代理店が入っているほか、駅を出た付近には代理店がずらりと並んだ「携帯通り」もある。また地下鉄2号線で市内から20分程度にある「江邊(カンビョン)」駅前にある家電ビル「テクノマート」の6階も同じく代理店が多数集まっている。これらはいわば携帯電話専門街であるため、Card Phoneの扱いもほとんどの店が行っている。外国人も比較的多く訪れるため、片言の英語で「Card Phone」と言えば通じるはずだ。店舗によっては「Card Phone」と案内を掲示しているところもある。

Card Phoneを買ってみよう

では実際にCard Phoneを買ってみよう。今回はテクノマートを訪れてみた。エスカレーターで6階に上がると、広いフロアに100以上もの代理店がずらりと並んでいて壮観だ。しかもフロア内に入り各店舗の前を通ると「社長、社長!」「安いですよ、見るだけ!」のようにあちこちから声がかかってくる。まるで南大門の雑貨市場にいるようであり、その掛け声に圧倒されてしまう。こちらが外国人とわかると「Card Phoneありますよ」と英語で声をかけてくるお店もあるほどだ。一瞬ひるんでしまうが、思い切ってどこかの店にまずは立ち寄ってみよう。

ソウル地下鉄2号線カンビョン駅(駅番号214)前にあるテクノマート

テクノマート6階の通信フロア。携帯電話代理店が100店舗以上入っている

店頭に並んでいる携帯電話の種類は日本とはどことなく違っている。日本の携帯電話よりコンパクトな機種が多く、Samsung、LG電子、SKYなど韓国メーカー製品が多いのが特徴的だろう。しかしこれらの機種は、ほとんどが回線とセットの契約であり、Card Phoneとしては購入できない。実はCard Phone用の携帯電話は、中古が基本になっている。店頭に並んでいる携帯の中で、横のほうに置かれているちょっと傷などのある中古のものがCard Phone用として販売されているわけだ。一部の店では新機種もCard Phone化してくれるが、価格は5万円やら8万円などかなり高い。また中古であってもW-CDMA/HSDPA方式の機種はCard Phoneとして購入できないとのこと。これはSIMカードがプリペイド用として提供されていないことからであろう。

なおCard Phoneは利用登録が必要となり、KTFとLGTはパスポートのみ、SKTはパスポートと住民登録番号が必要である。そのため旅行者が購入できるのはKTFとLGTの端末だけである。端末には「KTF」「SK Telecom」のように事業者のロゴが入っているのでそれを見て確認しよう。また中古携帯を購入する際は、ボタンがしっかり押せるかどうか、ガタツキは無いかなど、十分動作確認は行ったほうがよい。複雑な機能などは使うことはないだろうから、基礎的な動作についてチェックするといいだろう。

好みの機種が見つからなければ他のお店を見てみるのもよいが、中古携帯は必ずしも好みのものが見つかるとはいえず、有る程度妥協して買うのがよいかもしれない。また対応のよいお店であれば安心して購入できだろうから、店の雰囲気を購入判断基準にしてもよいだろう。ちなみに同フロアの店番号B-024「カンビョン通信」は日本語のできる店員さんもたまにおり、英語が通じることからもお勧めだ。

中古携帯は横のほうにまとめて展示されていることが多い。程度はまちまちだ

日本人にも有名な「カンビョン通信」。強引な客引きも無いので立ち寄りやすいだろう

自分の好みの携帯が見つかったらCard Phone契約を行ってもらえばよい。価格は中古の安いもので5万ウォン(約5,000円)前後、程度のいいもので10万ウォン(約1万円)前後といったレベルだ。これに最初の最低残高として2万ウォン(KTF)か3万ウオン(LGT)を追加する。あとはパスポートを提示すればその場で開通作業を行ってくれる。なお日曜日はCard Phoneの開通は行えないので注意が必要だ。また開通は通常即時だが、30分程度かかる場合もあるとのこと。その場合はフロア内の他の携帯店舗を眺めるなり、あるいは地下にあるフードコートで軽い韓国食を食べながら時間つぶしするといいだろう。

Card Phone契約をしてもらい、無事韓国携帯を入手することができた

韓国では携帯にプロテクターカバーをつけることが一般的。街中などでさまざまなタイプが売られている