経済産業省の安田氏の講演のあと、ビジネスオンライン 代表取締役の藤井博之氏、ピー・シー・エー 専務取締役の折登泰樹氏、公認会計士・税理士で梅田公認会計士事務所所長の梅田泰宏氏を加え、週刊BCN編集長 谷畑良胤氏の司会によるパネルディスカッションが行われた。

まず、中小企業におけるSaaSのメリットについて公認会計士の梅田氏は「データの一元化」を挙げた。会計事務所では、顧客とのデータのやり取りをメールで行うが、データが送られて来た後、顧客が勝手に内容を修正してしまう場合があり、同じ月のデータが複数存在する矛盾が発生する。しかし、SaaSではデータが1箇所で管理されるため、そういった問題が発生しないという。 また、パソコンにソフトをインストールする必要がないため、インターネットに接続できる環境があれば、どこでも利用できる長所もあると語った。

司会を務めた週刊BCN編集長 谷畑良胤氏

公認会計士・税理士で梅田公認会計士事務所所長の梅田泰宏氏

SaaSを展開する上での課題についてピー・シー・エーの折登氏は、データセンターへの投資、パッケージ販売を担当しているパートナー、代理店とのつながりという、ベンダーの立場での問題点を挙げた。

パネルディスカッションの中では経済産業省が進めるSaaS事業に対する要望が寄せられたが、各パネラーが一様に主張したのが動機付けの部分だ。 ビジネスオンラインの藤井は「SaaSを普及させるためには、ただ便利というだけでなく、圧倒的に便利でなければならない。それには、知らない間に処理が行われているといったメリットを可視化する必要がある」と語った。

ピー・シー・エー 専務取締役の折登泰樹氏

ビジネスオンライン 代表取締役の藤井博之氏