米国ラスベガスで開催中のカメラショー「PMA 2008」において、シグマはコンパクトデジタルカメラ「DP1」を発売すると発表した。現地の説明員によれば、米国では3月上旬、国内でも2月末から3月上旬にかけての発売予定で、価格は米国では800ドル前後、国内の推定市場価格は約10万円。
DP1は、撮像素子に同社のデジタル一眼レフカメラ「SD14」が採用する「FOVEON X3ダイレクトイメージセンサー」を搭載したコンパクトデジタルカメラ。有効画素数は1,400万画素(2,652×1,768×3層)で、コンパクトでありながらデジタル一眼と同じ撮像素子を積んだことが大きな特徴だ。
20.7×13.8mmという大型の撮像素子はSD14と同じものだが、DP1向けのカスタマイズが施されているそうで、さらに改良も加えられているという。
DP1自体は、2006年にドイツで開催されたカメライベント「photokina 2006」で初めてプロトタイプが公開され、その後「ハードウェアに不具合があったため」(ブース担当者)いったん開発が停滞したが、今回いよいよ発売にこぎ着けた、ということになる。
画像処理エンジンには「TRUE(Three-layer Responsive Ultimate Engine)」を搭載。FOVEON X3の3層構造に初めて対応したエンジンということで、これまで同社がデジタル一眼で培ってきた独自の画像処理アルゴリズムを盛り込み、さらに高速なレスポンスも実現しているという。
レンズは35mm判換算で28mmの焦点距離を持つ単焦点レンズを搭載。レンズの明るさはF4で、大口径のガラスモールド非球面レンズを含む5群6枚構成。レンズスペック自体は開発当初から変更がないが、コーディングなどセンサーの能力を引き出すような改良を続けてきたようだ。
最大の特徴となる大型のセンサーをコンパクトなきょう体に収めるための苦労が大きかったようで、さらにバッテリー駆動時間やパフォーマンスの低下も極力抑えたという。
画像形式はRAWと4種類の画素数のJPEGから選べ、ブース担当者によればJPEGでもその写りは普通のコンパクトデジカメと比べて「次元が違う」レベルだと自信を見せる。
主な仕様としては、ISO感度がオート/ISO100/200/400/800、シャッタースピードが1/2000秒~15秒、ホワイトバランスがオート/晴れ/日陰/くもり/白熱電球/蛍光灯/フラッシュ/カスタム。手動ポップアップ式のフラッシュに加えホットシューも装備。専用の外付けフラッシュも用意される。背面の液晶は2.5型約23万画素。撮影可能枚数は約250枚、本体サイズは113.3(W)×59.5(H)×50.3(D)mm、重さは250g。
お化けレンズなどの新レンズも投入
昨年のPMA 07で初めて出展され、開発が続けられていた「APO 200-500mm F2.8 EX DG」がいよいよ製品化。PMA 07では(その後のPIE 2007でも)ブラックボディだったが、製品化にあたってボディカラーはグリーンに変更された。
200~500mmという超望遠ズームレンズでありながら、全域F2.8という大口径を実現するため、そのサイズは非常に大きくなっている。最大径はφ236.5mm、全長はフード込みで726mm。重さは15kg以上にもなる。ELD(特殊低分散)ガラス3枚、SLD(特殊低分散)ガラス1枚を採用して諸収差を軽減、スーパーマルチレイヤーコートの採用でフレア・ゴーストの発生も抑えた。
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単体で200~500mmの焦点距離をカバーし、さらにF2.8という明るさを実現するため、こんな大きさになったAPO 200-500mm F2.8 EX DG。このサイズでもズームやAFは滑らか。装着されているのはおもちゃではなく、本物のEOS 5D |
72mmの後部差し込み式フィルターを採用しており、独自のフィルター枠回転機構で円偏光フィルターの使用も可能。ズーム・AF駆動用に専用バッテリーを利用しており、レンズ後部には現在の焦点距離と撮影距離をデジタル表示する液晶パネルも搭載している。
また、専用設計のアタッチメントも同梱。これを使うと焦点距離が2倍になり、400-1000mm F5.6レンズとしてAF撮影を行うことも可能だ。
まずはキヤノン用が4月下旬に登場。その後、6月にはシグマ用、ニコン用がそれぞれ発売される。価格は250万円。
さらにシグマは手ブレ補正機能OS(Optical Stabilizer)を搭載したレンズ3本の開発発表も行っている。開発発表されたのは「APO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSM」「APO 120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSM」 「18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSM」の3本。いずれも発売日、価格は未定。