開催中の2008 International CESにて、米IntelのPaul Otellini社長兼CEOによる基調講演が行なわれた。同氏は「パーソナルインターネット」と表現されるコンピュータとインターネットの変革について講演。ウルトラモバイル向け次世代プラットフォーム「Menlow」と、Intel Architecture採用のCE向けSoC「Canmore」を相次いで披露した。
Otellini氏の基調講演は非常にユニークなオープニングビデオで幕を開けた。"Internet made the video star" -- The Bugglesの『Video Killed the Radio Star』(ラジオ・スターの悲劇/1979年)のミュージックにあわせ、替え歌で、インターネットの革新が新たな価値を生むといった内容を歌っている。元ネタの方はミュージックビデオの登場でラジオが音楽の主要メディアでなくなっていく様を歌ったものだ。
同氏は「MTVがミュージックビデオを作り、ラジオからの転換が起こったように、インターネットがCE業界に変革を起こすだろう」と述べる。これまでのような一方通行なインターネット利用から転換し、ユーザーの要求に基づいた双方向でリッチなアプリケーションをシームレスに提供する「パーソナルインターネット」の実現が語られた。
これは、家電製品やポケットサイズのデバイスなどのハードウェアの中にIntel Architectureが搭載されることで、"フル機能"のインターネットがあらゆる機器から積極的に利用できるようになると訴えるものだ。
パーソナルインターネットをデモ
Otellini氏はそのパーソナルインターネットの利便性を具体的に紹介するため、ステージ上にオリンピック開催を控えた中国・北京のセットを用意。そこを訪れた旅行者がパワフルなUMPCから双方向・シームレスな"フル"インターネットを利用し、スムーズな旅行を体験するというデモンストレーションを行なった。
また基調講演では、パーソナルインターネット世代のアプリケーションの例として、インターネットを通したジャムセッションを可能とするeJAMMING AUDiiOや、簡単に3Dアバターを作成できるBiGstage、そこにOrganic Motionのモーションキャプチャ技術を組み合わせ、仮想世界にリアルなライブステージを再現。講演会場にはシリコンバレーのポップ・ロックバンド、Smash MouthのボーカルであるSteve Harwellが実際に登場し、仮想空間に集まったバンドメンバーとのバーチャルライブを披露した。