パーソナルインターネットに4つの障壁
Otellini氏は、前述のようなパーソナルインターネットを実現するためには、超えなければならない4つの障壁が存在していると説明する。
まずは「(1)シリコンの問題」で、よりパワフルかつ省電力、そして小型デバイスに搭載できる必要がある。次いで「(2)ワイヤレス環境の問題」があり、高速・広範囲なワイヤレスブロードバンドの必要性。「(3)情報への正確なアクセスの問題」も重要で、ユーザーが正確に情報に辿り着けなければならない。最後が「(4)ユーザーインタフェースの問題」で、例えばジェスチャーや音声入力など、よりスムーズなユーザーインタフェースが不可欠になるとする。
Intel Architecture採用SoC「Canmore」を公開
Otellini氏は「必要なブレイクスルーは必ず実現する」と宣言、それら障壁を取り除くため、Intelではシリコンの技術革新でこれを支える取り組みを進めているのだと話す。2007年末にHigh-Kゲート絶縁膜とメタルゲートを導入した45nmプロセスルールのプロセッサ製品を投入した。また今回、ムーアの法則に則った集積度の向上で実現したというCE向けSoC(System On Chip)、「Canmore」を公開した。
Canmoreは、Intel Architecture(IA)のCoreに、Memory Controller、I/O、Security、Audio/Video、GPUを1チップに集積したSoCだ。x86をそのまま利用でき、"フル"インターネットを簡単にドライブできる性能を提供する。市場投入は2008年後半を見込み、ステージ上では1080pや7.1chサラウンド出力が可能という実機デモも行なわれた。
MenlowプラットフォームのUMPC試作機も
パーソナルインターネット世代のデバイスとしては、Otellini氏は「デスクトップと同じ体験をモバイルで」と説明されるUMPC(Ultra Mobile PC)の次世代プラットフォーム「Menlow」をクローズアップした。
Menlowは、2006年の同社モバイルプロセッサ比で10倍の電力効率と1/5のパッケージサイズを実現するというIAプロセッサ「Silverthorne」と、シングルチップ設計のチップセット「Poulsbo」で構成される小型・低消費電力プラットフォームだ。
こちらは2008年前半という投入時期が既にアナウンスされており、基調講演でもOtellini氏がMenlowを搭載した東芝製の試作機をお披露目。2008 International CESの会場では各社から動作実機の出展が確認されており、いよいよ登場が間近であることを伺わせた。