独特の機能として面白いのは「スーパーはっきりボイス&はっきりマイク」。スーパーはっきりボイスは、周囲の騒音レベルに合わせて相手の声を強調する機能で、はっきりマイクは、自動的に自分の声を強調して相手に自分の声が伝わりやすくする機能だ。特に町中のような騒がしい場所での通話に適している。デフォルトでは機能がオンになっている。
同様に、相手の話す声がゆっくり聞こえる「ゆっくりボイス」も搭載。自然で違和感のない速度に落としつつ、相手の声が聞き取りやすくなる、というもので、早口で聞き取りにくい場合などに使うといいかもしれない。英語など外国語を聞くときにも有効とされている。実際に試したところ、やや間延びした感じにも聞こえるが、極端に遅くなるわけではないので確かに自然。うまく処理されない場合も、滑舌によっては多少聞き取りにくくなるかもしれない、という程度の印象だった。通話中にソフトキー右下で簡単にオン・オフできるので使い分けるといいだろう。
こうした普段の使いやすさに配慮した機能は多く、フォントに関しても従来のリュウミン、ゴシックに加え、新たに丸フォークフォントを追加し、さらに見やすいフォントを選べるようになった。フォントではiモード、フルブラウザ、メール閲覧、メール編集/文字入力、電話帳/履歴で文字サイズを6段階から選べるようになった。
文字サイズに関しては、受信メール閲覧時に数字の1ボタンで縮小、3ボタンで拡大できる「クイックズーム」もあり、15段階の細かい拡大縮小が素早く行える。ズーム機能はスケジュール機能にも利用されており、月表示から3ボタンで週表示、1日表示と簡単に拡大できる。週表示は4段階、1日表示は7段階に拡大縮小できるため、スケジュールの量によって拡大率を帰ればより見やすくなるだろう。
メール機能では、F904iで対応していなかった、素早い入力が可能な2タッチ入力に対応。横画面を2分割して片方に作成画面、もう一方に2タッチ入力のガイドを表示でき、2タッチに慣れていない人でも確認しながら入力できる。
また、受信メール一覧では上半分にメール一覧、下半分に本文を表示する「本文お試し表示付きメール一覧画面」によって、いちいちメールを開かなくても内容をプレビューできるようになっている。
ほかにもFMトランスミッターを搭載し、ミュージックプレーヤーの音楽をカーステレオなどのFMラジオで聞くことができる。メインカメラは有効320万画素のCMOSカメラで、画像処理エンジンには富士通がデジタル一眼レフカメラ用に外販している画像処理LSI「Milbeaut」を継承した、ということだ。名刺を撮った場合などに使えるゆがみ補正機能も搭載している。また、本体背面の指紋センサーによる生体認証にも対応する。