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グラフはPhenom 9600とQ6600で、それぞれのシステム全体の消費電力を「ワットチェッカー」によって計測した数字だ。Idleはシステム起動後に何もしない状態、LoadはCINEBENCH R10実行中のピークである。TDPはともに95Wなのだが、Idle時はともかく、重い処理をさせた場合の差は大きい。チップセットの消費電力の違いを考慮する必要はあるが、G-0のQ6600と比べるならば、Phenom 9600の方が電気食いであることは事実のようである。
まとめ
Phenom 9600は、期待の新製品であることは間違いないのだが、Core 2 Quad Q6600と比べると少々見劣りしてしまう感がある。Intelは間もなくこの価格帯にも45nmの新製品を投入してくるだろうから、なるべく早い時期に、価格をもうひと声安くするとか、もしくはより高クロックな上位製品を含む幅広いラインナップを望みたいところだ。
しかしながら、そもそも今回はプレビューということもあり、ベンチマークも駆け足で済ませてしまっている。例えば、64bit環境でのパフォーマンスなら異なる傾向の結果が得られるという可能性もあるわけで、もう少し広く詳細に検証を行なってみないことには、Phenom 9600を妥当に評価することはできないだろうと思う。
ところで、AMDのデスクトップ向けで初のクワッドコアというのは大きなポイントだ。Q6600に迫る性能ということは、従来のデュアルコア製品とは一線を画した性能ということである。HyperTransportの制約はあるものの、ソケットAM2とAM2+は互換があるため、導入のコストも抑えることができる。既にAM2を使っているユーザーのアップグレードパスとしては非常に手頃な製品が登場したと言えよう。